公開日:2022年4月17日
この記事では、コンパネの基本情報や、火災保険を使ってコンパネの屋根修理の費用を抑えるための手順や事例をご紹介します。
具体的には以下の内容を解説します。
コンパネとは?
構造用合板やベニヤとの違い
台風で破損したコンパネの屋根の修理に火災保険を使うための条件
屋根のコンパネを火災保険で修理した事例
火災保険の申請手順と保険金の受け取り方
火災保険を使ってコンパネの屋根の修理を行うための条件を知っておくことで、屋根修理の際に保険が使えるのか悩まずに済むでしょう。
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コンパネとは?
コンパネとは「コンクリートパネル」が正式名称であり、コンクリートの型枠用として使われる合板です。
建築現場で外壁などを造る際、コンパネで型枠を作成して中にコンクリートを流し込みます。
コンクリートが乾燥したらコンパネをはずします。
コンパネは主に型枠として使われるため、見た目を整えるなどの特別な加工はされません。
しかし、何度も再利用するために片面に樹脂加工されているコンパネもあります。
また、屋外で使用するため耐水性が高いのが特徴です。
コンパネの基本構造
コンパネの基本構造は、薄い木の板を5枚重ねて接着剤で貼り合わせています。
木の板を重ねる際には、木の繊維方向を90度ずつずらしてプレスしているため強度が高くなります。
コンパネの規格サイズ
コンパネの規格サイズは、幅900ミリで長さ1,800ミリ、厚さは12ミリです。
厚さは15ミリや28ミリなど幅広く、使用用途によって選べます。
コンパネは主にコンクリートの型枠として使われますが、耐水性があり使い勝手もいいことから、DIYや美術の材料、
看板などとしても使用されることがあります。
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コンパネの価格
規格サイズのコンパネの価格は、1枚1,700円です。
樹脂加工しているコンパネの場合、1枚1,870円となります。
構造用合板やベニヤとの違い
建築現場では合板全般のことをコンパネと呼ぶケースもありますが、合板にはほかに「構造用合板」と「ベニヤ」があります。
コンパネと混同されやすい構造用合板とベニヤのそれぞれの特徴や使用用途、規格サイズや価格の違いなどを併せてご紹介します。
構造用合板とは
構造用合板とは、建築の際、壁や屋根の下地として使われる合板です。
コンパネ同様、複数の薄い木の板を重ねて貼り合わせています。
構造用合板の主な材質は、針葉樹またはラワン材と呼ばれる広葉樹です。
強度は針葉樹よりも広葉樹のラワン材の方が高いです。
ほかにも、シナやヒノキを使った合板もあります。
また、構造用合板はJASと呼ばれる日本農林規格によって強度や品質の等級が定められています。
日本農林規格とは、農林水産大臣が農林物資の規格等に関する法律に沿って定める規格のことです。
構造用合板の規格に関しては、以下の4つの品質が規定されています。
接着の程度
強度
板の品質
ホルムアルデヒド放散量
強度や品質などは板に直接スタンプを押して表示されているので、構造用合板をホームセンターなどで購入する際は情報を簡単に確認できます。
構造用合板の規格サイズ
構造用合板の規格サイズは、幅が910ミリで長さが1,820~3,030ミリ、厚さは5~35ミリなどさまざまです。
外壁や屋根の下地には、一般的に厚さ9ミリまたは12ミリの構造用合板が使われます。
床下など強度が必要な箇所には、厚さ24ミリや28ミリのものが使われます。
構造用合板の価格
幅が910ミリで長さが1,820ミリ、厚さ9ミリの構造用合板の価格は、針葉樹の場合1枚1,230円です。
ラワン材の場合、1枚1,360円となります。
ベニヤとは
ベニヤとは、合板を作る際に重ねる薄い木の板のことです。
加工しやすく、DIYでもよく使用されます。
また、ベニヤと聞くと「ベニヤ板」と「ベニヤ合板」のどちらが正しいのかと悩む方もいらっしゃることでしょう。
ベニヤ板とベニヤ合板の違いとは、木の板が1枚か複数枚かの違いです。
合板とは薄い木材の板を重ねて貼り合わせた板のことを指します。
そのため、ベニヤ板を複数枚重ねて貼り合わせたものをベニヤ合板と呼びます。
ベニヤの規格サイズ
ベニヤの規格サイズは、幅が910ミリで長さが1,820ミリ、厚さが2.3~18ミリなどさまざまです。
DIYでは、主に厚さ2.3~3ミリのベニヤが使われます。
薄いため、割れや曲がりに注意する必要があります。
ベニヤの価格
幅が910ミリで長さが1,820ミリ、厚さ9ミリのベニヤの価格は、1枚1,670円です。
完全防水タイプのベニヤの場合、1枚1,780円となります。
「コンパネ」「構造用合板」「ベニヤ」のそれぞれの価格と規格サイズを、わかりやすく一覧表にまとめました。
参考にしてみてください。
合板の種類 | 価格(1枚あたり) |
---|---|
コンパネ | ・1,700円 ・1,870(樹脂加工) |
構造用合板 | ・1,230円(針葉樹) ・1,360円(ラワン材) |
ベニヤ | ・1,670円 ・1,780円(完全防水タイプ) |
合板の種類 | 規格サイズ |
---|---|
コンパネ | 幅900ミリ×長さ1,800ミリ 厚さ12ミリ |
構造用合板 | 幅910ミリ×長さ1,820~3,030ミリ 厚さ5~35ミリ |
ベニヤ | 幅910ミリ×長さ1,820ミリ 厚さ2.3~18ミリ |
コンパネを使った屋根が台風で破損した場合は火災保険が使える?
コンパネを使った屋根が台風で破損した場合、火災保険を使って補修できます。
火災保険は火災が原因の住宅の破損だけでなく、台風のような自然災害での破損も補償対象となります。
ただし、火災保険を使って屋根を補修する際には、さまざまな条件をクリアしなければなりません。
台風で破損した屋根を火災保険で補修するための条件などを詳しく解説していきます。
屋根のコンパネ破損に適用できる火災保険の補償内容
屋根のコンパネ破損に適用できる火災保険の補償内容には、以下のような自然災害があります。
風災
雹災(ひょうさい)
雪災
それぞれの自然災害について、どのような災害なのか、起こりうる被害について解説していきます。
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風災
風災とは、台風や竜巻など強い風や突風による自然災害のことです。
日本では毎年台風による被害が多く発生しています。
被害例としては、台風の強風によって屋根が破損したり、窓ガラスが割れたりするなどがあります。
そのため、特に日本では台風によって住宅が破損した場合に補償が受けられる火災保険へ加入しておくと安心です。
雹災(ひょうさい)
雹災とは、雹が降ることで発生する自然災害のことです。
雹は小さな氷の粒です。
直径5ミリ以上のものを雹とし、5ミリ以下のものは霰(あられ)と区別しています。
雹災による被害には、住宅やカーポートなどの屋根が破損したり、窓ガラスが割れたりするなどがあります。
雹災は直径5ミリ以上のサイズの氷の粒が突然空から降ってくることになるので、住宅の破損や怪我に注意しなければいけません。
雪災
雪災とは、豪雪や雪崩など雪が降ることで起こる自然災害のことです
雪災による被害には、住宅やカーポートなどの屋根が雪で押し潰されたり、破損したりするなどがあります。
雪は降り積もるとかなりの重さとなるため、予期せぬ豪雪に見舞われたとき、住宅が重みに耐えられず破損してしまうことがあります。
自然災害による損傷に火災保険が使える条件
自然災害によるコンパネの屋根の損傷に火災保険が使える条件は、以下の5つです。
自然災害による損傷であること
修理費が20万円以上であること
損傷して3年以内であること
住宅の敷地内であること
加入する保険の免責事項に当てはまらないこと
それぞれの条件について、具体的な内容を解説していきます。
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自然災害による損傷であること
屋根が損傷した場合に火災保険が使える条件として、まず風災などの自然災害による損傷と認められなければいけません。
故意による破損や、経年劣化による損傷は補償対象とならないので注意しましょう。
修理費が20万円以上であること
修理費が20万円以上かかると認められた場合に、火災保険を使って屋根の補修ができます。
多くの火災保険の規約では、風災などによって破損した住宅の修理費が20万円以下の場合は補償対象外としています。
しかし、保険の内容によっては一定の自己負担額を支払えば規定以上の修理額は補償してくれる場合があります。
加入している火災保険の補償内容を確認してみましょう。
損傷して3年以内であること
屋根の損傷が3年以内に起きたと認められた場合に、火災保険を使って補修できます。
そのため、屋根の損傷を発見した場合には早めに保険会社に連絡するようにしましょう。
反対に、数年前の自然災害による破損だからと破損箇所を放置しているのであれば、
一度保険会社に連絡して相談することをおすすめします。
3年以内の自然災害による破損と認められれば保険金を受け取れることもあります。
住宅の敷地内であること
自然災害による火災保険の適用範囲は、基本的に住宅の敷地内にある建物のみです。
そのため、台風で屋根の瓦が飛んで隣家の窓ガラスが割れたとしても、火災保険で補修はできません。
自然災害による事故や損害は不可抗力と見なされ、賠償責任を問われません。
しかし、台風や豪雪の恐れがあるのに住宅の管理を怠ったなど過失がある場合には、賠償責任を問われる場合があります。
加入する保険の免責事項に当てはまらないこと
加入している火災保険の免責事項に当てはまっていなければ、火災保険を使えます。
そのため、火災保険を使って屋根の修理をしようとする場合には、加入している火災保険の免責事項をよく確認しましょう。
火災保険の免責事項には、経年劣化や故意による住宅の破損、放射能による損害などがあります。
屋根のコンパネを火災保険で修理した事例
屋根のコンパネを、火災保険を使って実際に修理した事例をご紹介します。
大雪によって屋根と軒先が破損して落下し、下地のコンパネまで交換することになった事例です。
この事例では、1,841,553円の金額が保険会社に承認されました。
大雪による屋根の破損は数年前に起きたことですが、被害状況が記録されていたため補償対象と認められました。
火災保険の請求は被害が発生してから3年以内であれば可能なので、屋根や住宅が自然災害によって破損した場合は保険会社に相談してみましょう。
火災保険の申請手順と保険金の受け取り方
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火災保険を使って屋根を補修する際の申請手順と、保険金の受け取り方を詳しく解説していきます。
せっかく火災保険の補償対象なのに、申請手順を誤ると保険金がおりず全額自己負担となることもあります。
火災保険を申請する前はしっかりと手順を確認しておきましょう。
保険会社に連絡
自然災害によって屋根が破損したら、早めに保険会社に連絡して保険金申請のための書類を送付してもらいましょう。
また、保険会社に保険の申請をする際、屋根の破損箇所の写真や報告書、見積書などが必要となります。
そのため、先に屋根修理の専門業者に相談し、破損箇所の確認をしてもらい必要書類を揃えておくと申請がスムーズに行えます。
必要書類の記載・提出
保険会社から保険金申請のための書類が送付されてきたら、必要事項の記載と必要書類を揃えて返送します。
火災保険の保険金申請に必要な書類は、主に以下の4つです。
保険金の請求書
破損箇所の写真
破損に関する報告書
工事の見積書
保険会社によって必要書類は異なるため、加入している保険会社に確認しておきましょう。
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鑑定人による現場チェック
火災保険の申請を行うと、保険会社から鑑定人が現場チェックに訪れる場合があります。
屋根の破損状況や、自然災害による破損なのかを詳しくチェックし、火災保険の補償対象であるかを確認します。
保険金の入金
請求書や報告書、鑑定人による現場チェックの結果から屋根の破損が火災保険の補償対象であれば、保険金が指定口座に入金されます。
保険金の入金は、保険法によって請求手続き完了日から30日以内と決められています。
ただし、被害の大きさや保険金の金額によっては、入金に数ヵ月かかることもあるということを覚えておきましょう。
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屋根のコンパネ破損は自然災害なら火災保険で修理できる!
屋根のコンパネの破損が自然災害によるものであれば、火災保険を使って修理できるため、修理する前に保険会社に連絡しましょう。
ただし、地震による破損は火災保険の適用外です。
日本は地震も頻繁に起こるため、地震による屋根や住宅の破損に備えるためには、火災保険とは別に地震保険にも加入しておきましょう。
記事監修:矢島 弘子 |
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火災保険請求・地震保険請求アドバイス業務に従事。年間200棟の調査を13年間継続して行い、 建物調査後の損害鑑定人との立ち合いや交渉も行っている。 外部の敷地内の申請はもちろん室内の汚損・破損の申請や給排水設備の申請も得意とし、 家財保険かけている方が知らないスーツのアドバイスなども行っている 東京都大田区周辺でも2021年10月7日の地震被害はあり、関東圏であればどこでも無料点検はすぐにご依頼ください。 損はさせません。 |