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台風で門塀が壊れたら加入している火災保険で「建物の付属設備」は対象になる

台風によるブロック塀の破損

公開日:2021年12月1日

例年7月から11月にかけて、日本には多くの台風が日本列島に上陸し、時として大きな被害をもたらすことがあります。

台風による住宅に関する被害は、火災保険を活用して修理することができますが、

門塀のような住宅と直接つながっていない箇所については、どのような扱いとなるのでしょうか。

そんなお問い合わせが多く寄せられていますので記事にして周知致します。

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想定される具体的な被害の例

台風による被害は、以下のようなものが想定されます。

  • 台風による強烈な風でドアが破損した
  • 台風による豪雨で排水があふれ、床上浸水した
  • 台風による風で看板が飛んできてケガをした
  • 台風による風でブロック塀が崩壊した
  • 台風による大雨で土砂が崩れ建物が巻き込まれた
  • 台風による高潮で床下浸水した
  • 台風による雷が発生、落雷して家電製品が壊れた
  • 台風による大雨で車が水没してしまった

このような被害は、台風の上陸時に起こる可能性があるもので、しかも同時多発的に発生することもあります。

上記の例で行くと、

最後の車に関する被害は自動車保険の扱いとなりますが、それ以外は火災保険の補償に含まれているため、

正しい申請をすることで無料で修理できる可能性があります。

火災保険で補償される保険の対象

タイル破損 火災保険

火災保険の対象は「建物」と「家財」です。

これらのどちらかのみを補償対象とすることもできますし、両方を補償対象とすることもできます。

それぞれ、どのような箇所が補償対象になるのかを見ていきましょう。

まずは建物です。

●窓・ドアの破損
台風による強風や、飛来物の衝突により窓ガラスにひびが入ったり、ドアが破損したりすることがあります。窓やドアなどの建具は「建物」と判断されるので、原状回復するために必要な費用を火災保険で賄うことができます。●屋根の破損
屋根も屋根瓦も「建物」に含まれるので、台風の雨や風により破損した場合は、原状回復のために必要な費用を火災保険で賄うことができます。●床上浸水
床や畳も建物に含まれるので、台風による大雨が原因で床上浸水が起こった場合は、床やクロスの張り替えや、泥を取り除く作業などの費用を火災保険で賄うことができます。 ●カーポート・門塀の破損
カーポートやブロック塀のような、住宅とは直接設置していないものの敷地内にある「容易に動かせないもの」は、建物の付属設備と判断されます。そのため、これらが台風により破損した場合も、火災保険の補償対象となります。しかし、基本補償に含まれるのは、延床面積が66㎡未満のものと定められています。

 

火災保険で補償される家財

火災保険の補償内容に「家財」を入れて契約している場合は、下記が補償対象になります。

●家具
建物の中にある家具や衣類・寝具などの日常生活で使用するものは、家財と判断されます。台風によりそれらが濡れて使えなくなり、修理や買い替えに必要な費用は、火災保険で賄うことができます。
●電化製品
建物の中にある電化製品も家財に含まれますので、台風により雷が発生し、どれらが破損した場合は、火災保険の補償対象となります。
●自転車
建物の敷地内に保管されている自転車や原付自転車も家財扱いとなり、台風により転倒し破損した場合の修理費用は、火災保険で賄うことができます。

 

ここで注意したいのが、火災保険の対象を建物だけにした場合は、家財についての補償が受けられません。

逆も同様ですので、できれば両方を補償の対象にすることをおすすめします。

火災保険の補償対象にならない場合もある

軒天被害 風災

台風の被害が発生したときに、火災保険の補償対象にならないケースも存在します。

まずは、経年劣化と判断された場合です。

建物の経年劣化・老朽化により被害が発生したときは、火災保険の補償対象にはなりません。

また、火災保険の時効は原則3年です、火災保険請求相談センターでは、5年前の台風などもテクニックを駆使し認定事例があります。

※地震被害であれば10年前の2011年の地震での半損認定もあります。

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門塀は火災保険で修理できる可能性がある

 

上記の通り、門塀は火災保険で「建物」を補償対象にしているときに、台風による被害の修理費用を賄うことができます。

一般的なブロック塀の高さは、2001年(平成13年)の建築基準法施行令の改定により、2.2m以下に制限されています。

この2.2m以下というのは、ブロック塀が設置される地盤からの高さになりますので、

1番低い地盤からブロック塀の一番高い所までの長さが2.2m以下でなければ補償の対象になりません。また、ほかにもブロック塀を設置するときの注意点があるので、以下に紹介しておきます。

●壁の厚さ
ブロック塀の壁の厚みは、ブロック塀の高さによってその基準が変わります。ブロック塀の高さが2mを下回る場合は、10~12cm以上と規定されています。また2mから2.2m以下の場合は、15cm以上の厚みが必要になります。●控壁
控壁(ひかえかべ)とは、ブロック塀が倒れないように支えるもので、法律上設置が義務付けられています。ブロックを積み上げた柱のような形状をしていて、高さが1.2m以上のブロック塀に対し3.4m以内の間隔で垂直に設置しなければいけません。控壁を設置するときは、突き出した壁の部分の長さは40cm以上必要になり、厚みは塀そのものの厚みよりも厚くすることが条件となります。

 

また、大きなブロック塀は2019年(平成31年)から耐震診断が義務化されました。

この背景には、2018年(平成30年)に発生した大阪北部地震時の、ブロック塀が倒壊したことで死亡事故が発生したことがあります。

耐震診断の対象となるブロック塀は、人が集まりやすい集合住宅や商業施設などの建物に設置された塀で、

一戸建て住宅の塀は除外される方針とされています。

しかし、建築基準法施行令が改定される1981年(昭和56年)以前に建設されたブロック塀は、現在のブロック塀の設置基準外のものである可能性が高いため、危険をはらんでいます。

上述した大阪北部地震で倒壊したブロック塀も、1981年代以前に設置されたもので、高さは3.5m近くあったといわれています。

ブロック塀の建設基準は、人々の安全を守るために作られたものですので、事故を未然に防ぐためにも自身の敷地内にあるブロック塀が基準を満たしているかを確認しておきましょう。

基準を満たしていない門塀が台風により崩壊したときは、火災保険がおりない場合もあるので注意が必要です。

自然災害が起こる前に門塀をチェックしておく

ブロック塀の設置には、特殊な技術や知識が必要となります。

上述の通り、ブロック塀の設置には基準値が多く設定されているため、その制限を超えたブロック塀は違法となってしまいます。

この基準値は安全性を第一に設定されているので、違法であるだけでなく、人々の生活を脅かす存在になってしまうことがあります。

そのため、平常時にブロック塀に異常がないかを確認しておくことが大切です。

簡単にできるチェックは、ブロック塀が傾いていないか、触れた際にグラグラと揺れないかなどを確認しておきます。

ここで異常が見つかった場合は、小さな地震でも倒壊する危険性があります。

また、実際にブロック塀に触れるときは、付近にほかの人やものがないことを確認してからにしましょう。

そして、ブロックが劣化を起こしていないかを確認します。

ブロックの表面にひびが入っていたり、風化したりしている場合は、ブロックの内部も劣化が進んでいる可能性があります。

内部の鉄筋も劣化が進んでいることがあるので、塀の耐久性・耐震性を考慮して、ブロック塀そのものの交換を検討しましょう。

設置基準の確認方法

 

設置基準を満たしているかも確認したいところです。

控壁は設置されているかどうか、その間隔は適切かどうかなどです。

控壁はブロック塀の倒壊を防ぐために設置されているので、控壁の間隔が開きすぎているとブロック塀が倒壊してしまうことがあります。

また、ブロック塀が石垣のような不安定な場所に設置されていないかも重要な要素です。

石垣の上のような、鉄筋を固定できないような場所に設置されたブロック塀は倒壊しやすいので、対策を講じる必要があります。

ブロック塀が、土留めとして使われている場合も注意が必要です。

土留めとは、崖や盛土などの崩壊を防止するために、コンクリートブロックや石などで土を溜める工法ですが、山道などでよく見かけるものです。

この土が積み重なった斜面をブロック塀のみで仕切っている場合は、

支えになるブロックの厚みや必要な鉄筋が不足していることが多く、地震などで倒壊する危険が高いため、近づかない方が良いでしょう。

ブロック塀の構造の種類

台風によるブロック塀の破損

台風によるブロック塀の破損

ブロック塀には一般的な

「補強コンクリート造のブロック塀」

のほかに、

「組積造(そせきぞう)のブロック塀」

があります。組積造とは、補強コンクリート造と違い、鉄筋を使用せずに、レンガ・石材・ブロックなど複数の材料を積み重ねて造るものです。

想像の通り、組積造は補強コンクリート造のブロック塀よりも耐震性が低くなってしまうため、組積造のブロック塀には補強コンクリート造のブロック塀とは異なる基準があります。

まず塀の高さですが、組積造のブロック塀の高さ制限は1.2m以下です。鉄筋が用いられていないことから、耐震性が低くなるため、基準も低くなっています。

そして、塀の厚さも建築されるブロック塀の高さの10分の1以上が必要となります。

例えば、組積造のブロック塀の高さを1mにした場合、ブロックには10分の1である10cm以上の厚みが必要になるというわけです。

また、控壁も4m以下の間隔で、60㎝以上突出した控壁であることが求められています。

 

このようにブロック塀には構造の違いによっても基準が変わるので、設置する際には必ずブロック塀に詳しい専門業者に依頼するようにしましょう。

ブロック塀の塗装は意味がある?

 

屋根や外壁塗装は、美観を整えるだけでなく、それらを長持ちさせる効果も期待できます。では、ブロック塀の塗装には意味があるのでしょうか。

もちろん、物理的には塗装は可能ですが、専門業者はブロック塀の塗装はおすすめしていません。

というのも、屋根や外壁の塗装と比較すると、メリットが少ないにも関わらずリスクがあるからです。

住宅全体を塗装したときには、せっかくなのでブロック塀も塗装して綺麗にしたいと思うかもしれませんが、

塗装の役割は美観の保持と素材の保護が主な役割であり、ブロック塀も塗装をすれば綺麗にはなるのですが、高圧洗浄だけでもかなり綺麗になるので、

多額の費用をかけて塗装をするほどのメリットは得られません。

また、ブロック塀の耐久年数は30年近いといわれていて、屋根や外壁の10~15年と比較すると、2倍以上の耐久性があることになります。

しかも、実際のところ、設置してから何十年も経過したブロック塀でも、塗装なしでも問題なく使用されているものも非常に多くあります

(あくまで見た目の話であり、現在の設置基準を満たしていないものは改修すべきです)

そのため、特に塗装をするメリットはなく、塗装をすることのリスクが発生してしまうケースもあります。

ブロック塀の塗装の注意点

ブロック塀の塗装にはあまりメリットはないのですが、

それでもブロック塀を塗装するときには、膨れが起きやすいという性質に注意が必要です。

ブロック塀には無数の穴が空いていて、地面に直接埋めて設置することになります。

一般住宅の場合は、ブロック塀が埋められている地面が土であることもありますが、この場合は特に注意が必要です。

というのも、ブロック塀を塗装で覆ってしまうと、

塗装をしていない部分は地面に接している下面のみになるため、雨が降って土に多量の水が含まれたときに、

下面のブロック塀の穴からその水分が大量にブロック塀内部に入ってきても、ブロック塀が塗装で覆われていると、

水分の逃げ道がなくなってしまいます。

そのため、水分を大量に含んだブロック塀が、雨の後に太陽光で急激に暖められると、ブロック塀内部の水が気化し膨張します。

この膨張により、塗膜が膨れひびが入ることがあります。

このように、ブロック塀の塗装をしても、

気温の変化によりすぐ剥がれてきてしまうリスクがあるため、

専門業者はブロック塀の塗装は不要と考えています。

このリスクを考えると、ブロック塀の塗装の意味は薄く、膨れが生じてもアフターフォローで対応する専門業者は少ないのが実情です。

メリットが少なくリスクが高い、それがブロック塀の塗装です。

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記事監修:矢島 弘子


火災保険請求・地震保険請求アドバイス業務に従事。年間200棟の調査を13年間継続して行い、建物調査後の損害鑑定人との立ち合いや交渉も行っている。外部の敷地内の申請はもちろん室内の汚損・破損の申請や給排水設備の申請も得意とし、

家財保険かけている方が知らないスーツのアドバイスなども行っている東京都清瀬市周辺でも2021年10月7日の地震被害はあり、

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