法人の火災保険の特徴と加入・更新時を徹底解説!これを見れば全部解決!
「法人向け火災保険の特徴って何があるのか分からない」
「個人向け火災保険との違いを知りたい」
こういった疑問を持つ企業の保険担当者は多いです。
火災保険は建物を建てるとき、借りて住むときのどちらでも加入が求められる任意保険です。
日本では加入は任意とされていますが、実際にはほとんどすべての世帯が加入しています。
火災保険は建物を補償する保険ですが、建物は住居用以外にも存在します。
例えば会社や工場、公共施設といった建物も火災保険に加入することが望ましいです。
しかし、個人が加入する火災保険とそれ以外の火災保険では大きく異なる点があります。
異なる点を理解していないと大きなトラブルに繋がる可能性もあり、正確な知識を求めている人も多いです。
そこで、今記事では法人向け火災保険の特徴を解説します。
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法人向け火災保険の特徴
法人向け火災保険は基本的には個人向け火災保険と同じ仕組みで成り立っています。
法人が加入して支払われた火災保険料を元に、被害が発生した際に支払いをおこなう仕組みです。
そのため、基本的には個人向け火災保険と考え方は一緒です。
しかし、大きく異なる点が1つ存在します。
それは、加入者である法人が利益を求める企業であり、火災保険の加入もリスク分散としての企業活動の一環に含まれることです。
火災保険はあくまで被害の補償をおこなうものであり、利益を求めて加入する保険とは異なります。
税金等が発生しない理由も、利益を求めていないためです。
この認識の差が大きな違いであり、法人向け火災保険を考える際のポイントになります。
実際に個人向け火災保険と法人向け火災保険の違いを確認していきます。
申請対象に含まれる被害
個人向け火災保険と法人向け火災保険の申請対象は大きな違いはありません。
火災保険の申請対象である地震や津波以外の自然災害、火災や人的原因の被害が申請対象に含まれる被害となります。
例として台風による建物への被害や土砂崩れ、車の衝突等の被害が申請対象です。
個人向け火災保険と被害の差はありませんが、法人向け火災保険にしかない特徴が存在します。
それは、被害の規模が大きくなることです。
個人向け火災保険と異なり、法人向け火災保険は建物や設備の規模が大きいです。
そのため、被害発生時には大きな被害が予想され、支払金額も大きな数字となります。
火災保険は支払い能力の限界を超える場合、支払いを免除される特約があるため、加入時は保険会社の規模も含めて検討をおこなう必要があります。
補償の範囲
個人向け火災保険と法人向け火災保険の大きな違いは、補償の範囲が挙げられます。
一般的な火災保険の補償対象は主に建物と家財の2つに分けられます。
建物は住宅部を含めた主となる建造物と、それに付帯する設備が対象です。
具体的には物置・倉庫・車庫・門や塀・各種設備(上下水道や電気設備)等が挙げられます。
【フェンス】の修理は当て逃げ・雪でも火災保険が使える可能性が・・・
建物が使えるように用意される設備を含めて、建物であるという考え方です。
家財は建物に含まれない物品が該当し、家具家電や寝具・生活必需品の雑貨屋や軽車両が該当します。
車や美術品以外の基本的なものはこの家財に含まれ、補償の対象になると考えて貰って問題ありません。
このように個人向け火災保険では生活に必要なものを補償の範囲と定めています。
しかし、法人向け火災保険では補償の対象が大きく異なります。
法人向け火災保険の補償対象は大きく分けて下記の5つが存在します。
• 設備(内外含む)
• 什器や備品
• 商品や製品
• 事業継続
建物は個人向け火災保険と変わらないですが、設備が多いため個別に分離しています。
設備は建物に関係する設備が対象であり、建物の用途によって該当する設備が異なります。
設備の例は電気・上下水道・ガス・避難設備・防災設備等が該当します。
個人の住宅と違い、スプリンクラーや防火扉のような安全設備が含まれることが特徴です。
什器や備品は個人向け火災保険の家財に当てはまる項目で、会社内で用いられる物品が対象です。
ここまでの3つはイメージが付きやすく、個人向け火災保険と大きく異なりません。
しかし、残り2つは法人向け火災保険特有の補償範囲です。
商品や製品は企業の資産の一部と考えます。
そのため、商品や製品を保管する箇所が被害を受けた場合、失った資産に保険が支払われる形となります。
利益を求めない火災保険ですが、法人の場合は資産補償の概念が含まれることが特徴です。
事業継続は被害によって事業の継続に影響を与える場合、その事業を継続するまでの被害を算定して補償するものです。
例えばある工場が火災の被害を受け、1ヶ月操業ができなくなったと想定します。
工場では1日あたり100万円の利益を生み出し、月間3,000万円の利益を稼いでいました。
被害を受けたことにより、この利益も失った被害であると考え、火災保険で補償するという考え方が事業継続の補償となります。
実際に失ったのではなく、被害から算定した機会の補償をおこなうのも法人向け火災保険の大きな特徴です。
このように法人向け火災保険は補償対象が大きく異なるため、加入時に補償を選ぶことが重要です。
加入前にはどの補償が必要になるかを検討してみましょう。
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法人向け火災保険の選び方
法人向け火災保険は補償内容が充実しており、保険会社によって大きく内容が異なります。
月々の保険料以外にも特約や対象、更新といった様々な条件を考慮する必要があります。
そのため、何も考えずに選ぶと思わぬトラブルに繋がりかねません。
また、法人ならではの考慮すべき点、事業内容により注意すべき点等、考えることが多いです。
今回は法人向けの火災保険の選ぶ基準を解説していきます。
実際に選択するときの参考になると幸いです。
事業内容と立地条件
法人向け火災保険を選ぶ際、最初に注目することが事業内容と立地です。
企業が火災保険に加入する際、事業内容によって建物の規模が大きく異なります。
製造業や食品加工業の場合、工場が必要となり規模の大きな建物が必要になります。
そのため、建物を建てられる立地条件も制約され、災害リスクが高まることが多いとされています。
また、製造業や食品加工業の場合、在庫と商品を多く抱えるため、被害発生時の損害が大きくなることが予測されます。
そのため、商品や製品の補償、事業継続の補償が手厚い火災保険の加入が推奨されます。
立地は海岸の沿岸部に広がる工業地帯や山間部に多くの工場が造られます。
海岸部や山間部は都市部に比べると災害発生のリスクが高くなり、被害規模も大きくなりがちです。
事業内容が製造業や食品加工業の場合、火災保険は手厚い補償を選ぶことがおすすめです。
同様に店舗を多く持ち、在庫や商品を取り扱う小売業も火災保険の補償を手厚くすることがおすすめです。
基本的には被害が大きくなる可能性が高い事業内容、被害のリスクを下げられない立地条件を満たした場合、火災保険の補償を手厚くすることになります。
火災保険を選ぶ際に意識しましょう。
会社規模で考える補償
火災保険を選ぶ際、月々の保険料も重要です。
基本的に火災保険は掛け捨てであるため、被害が発生しないと損失に計上されます。
法人向け火災保険では契約者が法人であり、法人格では利益追求をおこなうことが基本です。
そのため、損失を最小限にしつつリスクを回避する保険選びが重要となってきます。
実際に火災保険を選ぶ際は、会社の事業規模を考えて保険選びをおこないます。
例として年商1億円の企業を考えます。
年商1億円の企業が火災保険に加入する際、事業内容にもよりますが保険料は年商の1%以下にすることが好ましいです。
実際に大手保険会社で商品や在庫の補償、事業継続に向けた休業補償を組み合わせた火災保険を契約した場合、年間保険料は30万円程度になります。
このように事業規模に応じて保険の加入内容は検討し、規模拡大をおこなった際は見合った保険に切り替えることが重要です。
目安は年商の1%未満であることを意識しましょう。
更新時の保険選びのポイント
更新時は保険の見直しがおこなわれるポイントです。
法人向け火災保険も例外ではなく、更新時は火災保険の見直しをおすすめします。
ポイントは建物や設備は時間が経てば経つほどリスクが高まることです。
個人向け火災保険同様に、法人向け火災保険でも建物の築年数に応じて保険料が高くなる傾向があります。
そのため、更新時は前回の保険料から値上がりする可能性が高いです。
しかし、各保険会社は囲い込みのために、乗り換えることを前提に保険料を値下げすることもあります。
更新時に保険料の見直しをおこなう理由は、乗り換えによる保険料の値下げを期待する部分も大きいです。
建物の資産価値は年々下がるため、場合によっては建て直し等も視野に長期計画を立てることをおすすめします。
個人向け火災保険と法人向け火災保険の補償以外の違い
個人向け火災保険と法人向け火災保険は補償の内容で大きな違いが存在します。
特に契約面での違い、税金面での違いは大きく、個人向けの火災保険とは別の注意点が必要です。
注意点がある理由は、個人向け火災保険の契約対象者は個人であり、法人と異なり利益のために契約をおこないません。
しかし、法人は利益の追求をおこなうため、契約時に考慮することが増加します。
この考え方の違いが契約や税金に大きな影響を与えます。
実際にどのような違いがあるのか、契約面での違いと税金面での違いを確認していきます。
契約面での違い
法人向け火災保険の特徴に被害の規模が大きくなることが挙げられます。
個人向け火災保険では支払い上限が1億円程度、年間発生件数もそこまで多くないため、大きな災害が発生しない限りは問題になりません。
しかし、法人向け火災保険では規模が大きく、支払い上限も数百億を超える契約も存在します。
火災保険会社の規模にもよりますが、条件によっては支払いがおこなえなくなる可能性もあります。
そのため、火災保険会社側から契約できる内容を制限し、場合によっては契約が難しくなるケースも存在するでしょう。
選択肢から自由に選ぶ個人向け火災保険と違い、法人向け火災保険の場合はオーダーメイド方式を採用している理由の1つでもあります。
法人向け火災保険の契約をおこなう際は、火災保険の担当者を交えて補償内容と補償対象を決める必要があります。
事業の規模が大きいほど、その傾向が強くなるため注意が必要です。
税制面での違い
火災保険の受取は原則、非課税となります。
理由は火災保険の支払いは失った損失を補填するものであり、利益を生み出さないとされているからです。
当然、法人でも適用されるため火災保険で受け取った保険金に税金はかかりません。
しかし、税金がかからないのはあくまで火災保険の損失を補填する部分だけであることに注意が必要です。
法人向け火災保険には多くの補償がありますが、その中には税金の支払いが発生するものが存在します。
具体的には商品や製品の被害補償、事業継続のための補償の2つです。
この2つの補償については金融資産補償と変わらないと考えるため、法人税の課税対象となります。
知らずに計上をおこなうと脱税と判断される可能性があるため注意が必要です。
仮に、建物の建て替えで予算が余った場合でも税金は発生しませんが、法人の所有する商品や製品、事業継続に必要な費用は課税されます。
曖昧な部分が出た場合は、専門家に相談することをおすすめします。
法人向け火災保険は「コストとリスク」の見合ったものを選ぶ
法人向け火災保険は補償の範囲が広く、リスク分散に適した保険の1つです。
反面、コストともなるためリスクに見合った契約をおこなう必要があります。
事業内容や立地からリスクを客観的に判断し、必要な補償を加えることが重要です。
法人向けの火災保険はオーダーメイドで専用のプランを作ることも可能なため、保険会社の担当者に相談することがおすすめです。
コストとリスクを考え、法人ならではの視点で火災保険の契約ができるように心がけましょう。
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記事監修:矢島 弘子 |
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火災保険請求・地震保険請求アドバイス業務に従事。年間200棟の調査を13年間継続して行い、建物調査後の損害鑑定人との立ち合いや交渉も行っている。外部の敷地内の申請はもちろん室内の汚損・破損の申請や給排水設備の申請も得意とし、家財保険かけている方が知らないスーツのアドバイスなども行っている東京都清瀬市周辺でも2021年10月7日の地震被害はあり、関東圏であればどこでも無料点検はすぐにご依頼ください。損はさせません。 |