公開日:2021年11月22日
この記事では「雨漏りを放置するリスク」をはじめ、雨漏りの調べ方や原因、応急処置についてまとめて解説しています。
少しくらいならと放置せずに、紹介する内容を参考にできるだけ早く対処しましょう。
結論:雨漏りに気付いたら火災保険請求も可能になりますので是非火災保険請求相談センターにご依頼を。
目次(▼タップで項目へジャンプします)
雨漏りを放置するリスク①建物の被害
雨漏りを放置すると、建物への甚大な被害が予想されます。建物が傷んだり、損壊したりするだけでなく、最終的には倒壊する可能性があるため、早急な対応が必要です。
腐食による強度の低下
住宅内に水が侵入すると、木造部分は腐り、鉄筋部分はサビが発生します。木材や鉄筋部分の腐食が進むと、建物の強度や耐久性を大きく減少させます。
そのため、「天井が抜ける」「住宅が傾く」「住宅が倒壊する」といった大きな被害が発生する可能性があります。
放置すればするほど、修理が必要な被害箇所が広がり、費用も高額になるため、できるだけ早く適切な修理することをおすすめします。
シロアリの発生
湿った木材や腐敗した木材は、シロアリの大好物です木材を使う家では、シロアリ発生のリスクが常にありますが、雨漏りが発生することでそのリスクは高まります。シロアリの発生原因の8割は雨漏りが原因といわれるほどです。
シロアリが発生すると、建物の木材を食いつくし、住宅が倒壊する恐れがあります。シロアリの被害は、床下や屋根裏などを調べないとわからないため、知らない間に被害が拡大しているケースです。
雨漏りが発生したら、シロアリ被害も同時に確認すると良いでしょう。
見た目の悪化
雨漏りが発生すると、天井や壁紙にシミが発生します
大きなシミは、内装の見た目を大きく悪化させます。毎日シミを目にしたり、来客がある度にシミが気になったりと、ストレスの要因にもなるでしょう。
から染み出る水によるシミなので、雨漏りを直さなければクロスを張り替えてもシミは再発してしまいます。水によってクロスがはがれやすくなる場合もあり、何度貼りなおしても張り直しが必要です。
雨漏りを放置するリスク②健康被害
雨漏りの放置は「カビの発生」「有害生物の発生・増殖」などによる健康被害を引き起こす可能性があります。
カビの発生
雨漏りを放置しているとほぼ必ずといっていいほどカビが発生します。カビが体内に入ると、アレルギー・肺炎・喘息・感染症など、さまざまな病気の原因となっています。
雨漏りによって天井や壁紙のクロスにカビが発生すると、毎日上からカビの胞子が降り注ぐことになり、何らかの症状が出る可能性が高くなります。
ダニの増殖
雨漏りが引き起こすジメジメとした環境は、カビのほかに、ダニの増殖も促します。ダニはカビをエサにするため、カビが発生すると、ダニも増殖するのです。
ダニが動き回れば、カビの胞子が拡散されます。カビの胞子が広がり、カビが生える範囲が広がる、そしてダニもさらに増殖する悪循環が生まれてしまいます。
また、他のダニを捕食するダニが増殖する可能性もあり、さまざまな健康被害が考えられます。
ダニやダニの死骸・フンは、アトピー性皮膚炎・気管支喘息・アレルギー性結膜炎・アレルギー性鼻炎など、アレルギーを発症させるリスクがあります。
人の体液を吸うツメダニが発生すると、刺咬症を引き起こす場合があるため注意が必要です。
ネズミの侵入
ネズミは家の隙間から侵入して、天井裏や台所、物置に住みつきます。とくに、水があるところを好むドブネズミは、雨漏りに乗じて住宅に入り込む可能性があります。
雑食性のネズミは、夜間に住居エリアに侵入して残飯をあさったり、糞尿をしたりするだけでなく、人と遭遇すると噛みつくことも。
ネズミにはサルモネラ菌やチフス、E型肺炎ウイルスなどの病原菌が多く含まれているため、食中毒や感染症といった健康被害に注意しなければなりません。
ネズミのフンにも同様に多くの病原菌が含まれるため、衛生的に問題があるいえるでしょう。
雨漏りを放置するリスク③漏電による災害
雨漏りは「漏電」という大変危険な被害をもたらします。雨漏りと漏電の関係性を知っている人は少ないのではないでしょうか。
通常、電気器具や配線には、電気を通さない絶縁された物で処理がされています。しかし、湿気や雨漏りによってコードや絶縁体の隙間に水分が入り込むと、電気が意図しない場所に流れてしまいます。これが「漏電」です。
漏電すると、日常生活のなかで「感電」おこすリスクです。
洗濯機や照明器具などが雨漏りによって浸水していれば、触った瞬間に感電する恐れがあります。
また、漏電によって金属が発熱し、木材やホコリが燃え始め、「火事」に発展する場合もあります。
漏電は、人の生命に直接かかわる重大な問題なので、雨漏りによるリスクのなかでもとくに注意しておかなければなりません。
雨漏りを放置するリスク④経済的な被害
カビやシミによって見た目も悪くなるうえ、雨漏りによって発生した二次被害の箇所をすべて修理しなければなりません。
雨漏りを放置すればするほど、腐敗や腐食箇所の拡大や、建物強度の低下などの二次被害は拡大するため、修理費用は高額になっていきます。
また、雨漏りによって建物の強度が低下していたり、雨漏りなどの損傷があったりすると、物件の価値は低下します。
住居を将来的に売りに出す場合は売値が大きく下がる可能性があり、修理は必要不可欠です。
雨漏りする原因は?
つづいては、雨漏りが発生した原因について確認してみましょう。
ただし、雨漏りの原因は、住宅の状況によってさまざまです。原因が1つではないこともあれば、見た目にはわからない箇所で雨漏りが起こっていることもあります。
今回は雨漏りのなかでもよくある事例を5つ紹介します。
屋根材がズレている
まず挙げられるのが、屋根材がズレている、もしくは浮いたり割れたりして隙間ができていることによる雨漏りです。
屋根材の問題は、経年劣化や強風・強風による飛来物によって発生します。
屋根材が大きくズレたり、破損したりしていれば素人目でもわかりますが、細かなすきまであれば目視では確認が難しい場合もあります。
谷樋の劣化
M型屋根・複合タイプの屋根・バタフライ型屋根などにある、谷樋からの雨漏りもよく見られます。
谷樋とは、屋根の上にある雨樋機能を持った部分を指します
雨水を集めて流すため、雨の日には他の部分よりも負担が大きく、板金が傷んだり、防水紙が劣化したりしやすい部分です。
屋根と屋根の間の部分で、確認しづらいため、目視では雨漏り箇所がわからないケースも多々あります。
棟板金の釘浮き
棟板金の釘が緩む、浮いてしまうと、雨水が内部に侵入します。
棟板金は、屋根の一番高い位置に取り付けられた山型の金属板です。
下にある木製の貫板に釘で固定されており、内部への雨水の侵入を防いでいます。
棟板金の釘は、強風や劣化によって少しずつ抜けてくる場合があり、隙間から水が侵入するため雨漏りが発生するということです。
屋根の一番高い位置にある棟板金の釘浮きは、屋根に上がれば比較的目視で発見しやすい雨漏り原因です。
外壁の劣化・破損
外壁が劣化してヒビが入る、シーリング材が割れたり、はがれたりしている場合、雨漏りにつながる場合があります。
シーリング材とは、建物の防水性や気密性を保つために用いられる建築材料です。
ペースト状なので、外壁や窓枠の継ぎ目を埋めることができますが、
外壁に使われる石やコンクリートよりも劣化が早いため、定期的に打ち替えを行う必要があります。
外壁の劣化は外からは発見しやすいですが、それが雨漏りにつながっているかを確認できない場合が多くあります。
屋根で雨漏りが発生すれば、重量で垂直に移動する雨水が天井にシミやカビを発生させるため、気づきやすい傾向があります。
しかし、外壁からの雨漏りは、内部に侵入した雨水は壁を伝って外壁内部を移動します。そのため、内装に症状が出にくく、気づくのが遅れるのです。
雨樋の破損やつまり
雨樋のトラブルも、雨漏りの原因です。
雨樋は、屋根の水を集めて上手く排水する役割を持っています。
しかし、その雨樋の破損やつまりが発生すると、水が溢れたり逆流したりして、屋根の継ぎ目や外壁のヒビ割れから水が浸入、雨漏りに発展します。
雨樋(雨どい)は屋根の下部についているため、破損であれば目視で確認できます。しかし、苔や枯れ葉、砂などによるつまりは、問題個所が1つではなかったり、パイプ内の見えないところで発生したりします。そのため、簡単に原因を見つけられない場合があるのです。
雨漏りが発生したときの応急処置はどうすればいい?
雨漏りが発生したら、原因を究明して、適切な修理を行う必要があります。
雨漏りを確実に直すために、とくに重要なポイントが、「雨漏り原因の特定」です。
雨漏りの箇所は1ヵ所とは限らないため、原因を的確に発見できなければ、雨漏りが収まらない場合もあります。
ここからは、雨漏りが発生したときの調査と応急処置について、流れを解説します。
ステップ①自分で簡易検査を行う
雨漏りによっては、自分で簡易検査を行うことで、大まかな原因を探れる場合があります。
すぐに行える簡易検査の代表例は「目視検査」です。
雨漏りを疑ったら、下記のような症状がないか確認してみましょう。
<雨漏りした際によくある症状>
屋根に上がれば確認できる範囲は広がりますが、適切な安全装備がないままでは転落の危険があります。
経験がない人や安全策の講じ方の知識がない人は、地上からの目視に留めましょう。
ステップ②ビニールシート・防水テープで応急処置
雨漏り箇所が発見できた場合は、ビニールシートと防水テープを使って応急処置を行いましょう。
〇ビニールシートを使った応急処置
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屋根や天井で発生した雨漏りは、自分で水の侵入を防ぐことが困難です。
そのため水滴が落ちてくる場所に、ビニールシートをひいてバケツで水を受け止めましょう。
水滴が直接床に落ちると、床まで腐食したりする可能性があるため、被害拡大防止に効果的です。
屋根にビニールシートを被せて、土のうを置く方法もありますが、転落やケガのリスクが大きいため、おすすめしません。
〇防水テープを使った応急処置
穴が空いた雨樋や、外壁のひび割れになど小規模な雨漏り対しては、防水テープを使用することで雨漏りを一時的に止めることができます。
しっかりと水を防げるように、周辺の汚れを落とし、乾いた状態でテープを貼り付けてください。
防水テープはあくまでもその場しのぎの処置です。
粘着力が低下したり、日光にさらされたりするとはがれてくる場合があります。
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ステップ③雨漏り調査と修理をプロに依頼する
応急処置が終わったら、雨漏りの正確な原因を特定し、適切な修理を行うためにプロに依頼しましょう。
依頼時のポイントは、雨漏り調査と雨漏り修理のプロは、必ずしも同じではないという点です。
雨漏りの修理業者は修理のプロではありますが、原因調査に関しては経験が浅かったり、知識が足らなかったりする場合があるのです。
そのため、「雨漏り調査にも精通している修理業者を選ぶ」または、「調査と修理を別々の業者に依頼する」必要があります。
雨漏り調査に精通した修理業者を選べば、ワンストップで調査から修理を依頼できるため、スムーズかつ比較的出費を抑えることができます。
一方で、調査と修理を別々に頼む場合は、費用がかさむ一方で、中立的な視点で雨漏り原因を特定することができます。
修理費用を上げるために雨漏り原因を偽ったり、建物をわざと壊したりと、悪質な修理業者も存在するため、心配な場合は調査と修理の業者を分けると良いでしょう。
記事監修:矢島 弘子 |
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火災保険請求・地震保険請求アドバイス業務に従事。年間200棟の調査を13年間継続して行い、建物調査後の損害鑑定人との立ち合いや交渉も行っている。 外部の敷地内の申請はもちろん室内の汚損・破損の申請や給排水設備の申請も得意とし、家財保険かけている方が知らないスーツのアドバイスなども行っている 雨漏り相談は何年も続いての関係性になる場合があります。 お客様の理解度も含めて進めるのが重要です
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