公開日:2022年1月20日
「集水器にはどんな役割があるのか、また取り替え費用や掃除方法が知りたい」
「集水器が破損した場合、火災保険で修理できるのか知りたい」
集水器について、このようにお悩みの方もいらっしゃることでしょう。
集水器は、屋根に降った雨水を排水溝に流すための重要な役割を持つ外装部分のひとつです。
この記事では、集水器の基本知識や火災保険で修理するための条件などを紹介していきます。
具体的には以下のような内容を解説します。
集水器とは
集水器が壊れる原因や起こりうるトラブル
集水器の取り替え費用
集水器の掃除方法
火災保険で集水器のお金をもらうための条件
火災保険で集水器を修理した事例
どのような場合に火災保険で修理できるかを知っておくことで、集水器が破損した際に保険金の申請ができるかを判断しやすくなるでしょう。
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自然災害での被害を自覚されている方、過去3年以内に被害の工事を行った方はご相談ください。
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集水器ってなに?取り替え費用や掃除方法、火災保険でお金をもらうための条件などを詳しく解説!
集水器とは、屋根の雨樋(あまどい)に設置された、雨水を集めて排水溝に流すための装置です。
雨樋は、屋根に降る雨水が直接外壁に流れないようにするための排水設備です。
また、雨樋は基本的に「軒樋(のきとい)」「集水器」「竪樋(たてとい)」の3つのパーツに分かれています。
軒樋とは、屋根の軒先に設置されている半円形の筒で、屋根から流れる雨水を受け止めるための部分です。 竪樋とは、外壁に沿って地上に向けて設置されている筒で、軒樋で受け止めた雨水を排水溝へ流す役割を持ちます。 |
この軒樋と竪樋の接続部分にあるのが、集水器です。
軒樋は集水器に雨水が集まりやすいよう、傾斜をつけて設置されます。
集水器は字のごとく、軒樋が受け止めた雨水を集めて竪樋に流す役割があります。
この集水器をはじめ、軒樋や竪樋が破損してしまうと屋根に降る雨水が外壁に直接当たり、
住宅劣化の原因となるため定期的なメンテナンスが必要です。
雨樋の各部分の説明を、わかりやすく一覧表にまとめました。
雨樋の部位 | 役割 |
---|---|
軒樋 | 屋根に降る雨水を受け止める |
集水器 | 軒樋の雨水を集めて竪樋に流す |
竪樋 | 集水器から流れてきた雨水を地上の排水溝へ流す |
集水器が壊れる原因
集水器が壊れる原因には、主に以下の2つがあります。
ゴミの詰まり
台風や積雪
それぞれの原因について、詳しく解説していきます。
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ゴミの詰まり
集水器は、風によって運ばれた落ち葉やゴミが詰まり、その重さによって破損することがあります。
また、野球ボールなどが飛んできて、集水器に当たったり中に詰まったりすることで破損する可能性もあるでしょう。
台風や積雪
台風や竜巻などの強風、また積雪の重さによって雨樋や集水器が曲がったり割れたりします。
また、鹿児島県などでは、噴火により火山灰で雨樋が詰まったという報告もあります。
集水器や雨樋は住宅の外装部分であるため、台風や積雪などの自然災害によって被害を受けやすい場所です。
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集水器が壊れることで起こるトラブル
集水器が壊れることで起こるトラブルには、主に以下の3つがあります。
外壁が汚れる
外壁が腐食する
騒音が起こる
それぞれのトラブルについて、具体的にどのようなことが起こるか解説していきます。
外壁が汚れる
集水器が壊れて雨樋の排水がうまく機能しなくなると、雨水が軒樋から溢れ出て外壁が汚れることがあります。
外壁の汚れとは、軒樋から溢れ出た雨水が外壁に直接当たり続けることで生えるコケです。
また、地上に落ちた雨水の泥はねによって外壁が汚れることもあります。
外壁が腐食する
集水器が壊れて雨水が直接外壁に当たり続けることで、外壁が腐食しやすくなります。
外壁が腐食すると、住宅劣化のスピードが速くなったり、雨漏りしたりする原因となります。
騒音が起こる
集水器が壊れると雨樋の排水機能がうまく働かず、雨水が激しく地上に叩きつけられることになり、騒音が起きてしまいます。
外壁の素材によっては雨が当たることで大きな音を出してしまうこともあり、ご近所トラブルにつながることもあるため注意が必要です。
集水器の取り替え費用の相場
集水器の取り替え費用の相場は、1箇所あたり3,500~9,000円ほどです。
取り替え費用は、集水器の素材によって大きく異なります。
現在、集水器など雨樋に多く使われている素材は「硬質塩化ビニール」です。
硬質塩化ビニールの集水器の場合、取り替え費用は1箇所あたり3,500円と経済的です。
硬質塩化ビニールには腐食しにくく、施工しやすいというメリットがありますが、寒暖差や紫外線に弱いというデメリットもあります。
また、集水器の素材には「ガルバリウム」もよく使われています。
ガルバリウムとは、アルミと亜鉛をメッキ加工した鋼板で、錆びにくく耐久性が高いことが特徴です。
ガルバリウムの場合、取り替え費用は1箇所あたり9,000円ほどと高めになります。
しかし、軽くて強風や雪の重さなどにも強いため、特に自然災害の多い地域ではガルバリウムを雨樋の素材に選ぶ方も増えています。
集水器の掃除方法
集水器の掃除方法は、まずトングなどを使って中のゴミを取り除き、ホースで水を流して詰まりがないかチェックします。
水が詰まるようであれば、竪樋の中に針金を通してゴミを押し出すようにしてください。
作業はできるだけ2人で行い、足場が不安定とならないよう安全に作業を行いましょう。
集水器の位置によっては足場が危険、はしごが掛けにくいという場合には、掃除の専門業者に依頼することをおすすめします。
集水器が詰まってしまうと、雨水が雨樋から溢れ出してトラブルを起こしてしまうため、定期的に掃除やメンテナンスが必要です。
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集水器や屋根が台風で破損しても火災保険で修理が可能
集水器や屋根が台風で破損した場合、火災保険を使って修理することができます。
しかし、火災保険を使って屋根を修理する際には、以下のような条件をクリアしなければいけません。
屋根の集水器を火災保険でお金をもらうための条件
屋根の集水器を火災保険で修理するための条件は、以下の3つです。
自然災害による破損
修理費用が20万円以上
破損してから3年以内
それぞれの条件について、詳しく解説していきます。
自然災害による破損
集水器を火災保険で修理するためには、その破損が風災や水災などの自然災害によるものと認められなければいけません。
経年劣化や、故意による破損では補償されません。
修理費用が20万円以上
多くの火災保険の規約では、修理費用が20万円以上でないと補償対象としないとされています。
ただし、加入する保険によっては決められた自己負担額を支払うことでそれ以上の費用をカバーしてくれるものもあります。
加入する火災保険の補償条件をよく確認してみましょう。
破損してから原則3年以内
火災保険を使って集水器などの屋根を修理できるのは、被害を受けてから原則3年以内の破損箇所です。
そのため、集水器などの破損を確認したら、できるだけ早く保険会社に連絡するようにしましょう。
また、すでに自費で修理した破損についても、原則3年以内に起きた自然災害による被害と認められれば保険金の申請対象となります。
修理後の屋根の破損でも、一度ご相談ください。
屋根の集水器が破損しやすい自然災害
屋根の集水器が破損しやすい自然災害には、以下の4つがあります。
風災
水災
雪災
雹災(ひょうさい)
それぞれの自然災害について、どのような被害が起きるかなどを具体的に解説していきます。
風災
風災とは、台風や竜巻などで起きた強風による自然災害のことです。
また、風災は瞬間風速が最大秒速20メートル以上とならなければ認められません。
風災によって起こる被害には、屋根の瓦が飛んだり、集水器など雨樋の一部が破損したりするなどがあります。
台風が頻繁に起こる日本では、風災によって住宅が破損した際に補償が受けられる火災保険に加入しておくと安心です。
水災
水災とは、台風や豪雨による自然災害のことです。
大雨によって発生した洪水や土砂崩れも、水災に当てはまります。
特に河川の近くに住宅がある場合、水災に見舞われる可能性が高いです。
水災によって起こる被害には、近くの川が氾濫し床上浸水したり、豪雨によって雨漏りしたりするなどがあります。
また、集中豪雨によって集水器や屋根が破損することもあります。
雪災
雪災とは、大雪による自然災害のことです。
雪災によって起こる被害には、雪の重みで屋根が潰れたり曲がったりするなどです。
雪は降り積もるとかなりの重さになり、雨樋の集水器なども破損してしまうこともあります。
雹災(ひょうさい)
雹災とは、雹による自然災害のことです。
直径5ミリ以上の氷の粒を雹と呼びます。
また、5ミリ以下の氷の粒を霰(あられ)と呼びます。
雹災によって起こる被害には、屋根が破損したり窓ガラスが割れたりするなどがあります。
集水器や雨樋を含む屋根部分を火災保険で修理した事例
集水器や雨樋などの屋根部分を火災保険で修理した事例を3つご紹介します。
自宅の集水器や雨樋が破損し、火災保険で修理したいとお考えの方はぜひこちらの事例をチェックしてみてください。
大雪による波板の破損
大雪により波板が破損した事例です。
毎年積雪が多い地域では、雪災によって波板が破損してしまうことがよくあります。
波板の取り替えだけではそこまで費用は高くなりませんが、屋根の修理には足場設置が必要となります。
実は、この足場設置にかかる費用が屋根の工事費用の多くを占める場合があります。
そのため、保険金がおりる際にはこの足場の設置費用も十分カバーできるかをチェックしておきましょう。
豪雨により軒樋や集水器が破損
豪雨によって雨漏りが発生した事例です。
最初は豪雨により軒樋や集水器が破損して雨漏りし、天井に染みができたとして保険金の申請をしました。
しかし、室内の雨漏りは住宅劣化と見なされ、火災保険の補償対象外と判定されます。
そして軒樋や集水器の破損は、3年前の雪災による被害として保険金がおりました。
このように、修理したい部分ではなく、補償対象となる破損箇所を申請することで保険金がおりやすくなります。
雪の重みによる雨樋の曲がりとずれ
大雪による雨樋の曲がりとずれの事例です。
この事例では、250,000円の金額が保険会社に承認されました。
また、こちらは平屋建て住宅ですが屋根工事の際も安全確保のため、足場の設置は必要となります。
承認された保険金の内訳に足場の設置費用が含まれていない場合は、再鑑定を依頼することができます。
火災保険の保険金を申請するための必要書類や手順
火災保険の保険金を申請するために必要な書類や、手順について詳しく解説していきます。
申請手順を間違ってしまうと、もらえるはずの保険金がおりなかった、ということもあります。
保険金を申請する際は、加入する保険会社に必要書類や手順の流れをしっかりと確認しておきましょう。
必要書類
火災保険の保険金を申請する際に必要となる書類は、一般的に以下の3つです。
保険金請求書
修理費の見積書
破損箇所の写真
ただし、保険会社によって必要書類が異なるため、保険金申請の連絡をする際にきちんと確認してください。
また、修理費の見積書の作成や破損箇所の写真の撮影は素人では難しいため、専門業者に依頼するとスムーズに用意することができます。
申請手順
火災保険の保険金の申請手順は、一般的に以下のような流れになります。
1. 専門業者に破損状態のチェックを依頼
2. 保険会社に連絡
3. 必要書類の記入と用意・送付
4. 調査員による現場チェック・審査
5. 保険金の受け取り
集水器など屋根が破損した場合、まずは修理を依頼する専門業者に破損状態をチェックしてもらいましょう。
このとき、自然災害による住宅の破損や、火災保険について詳しい業者を選ぶと安心です。
必要書類を揃えて保険会社に送付すると、調査員が破損箇所の状態をチェックしに来るのが一般的です。
この調査員による現場チェックと申請書を審査して、補償対象であるかの審査が行われます。
破損が火災保険の補償対象であると認められた場合に、保険金を受け取ることができます。
保険金の入金は保険法によって申請が完了した日から30日以内と決められていますが、
災害の被害状況などによって数ヵ月かかる場合もあります。
集水器は住宅劣化を防ぐ大切な部分!火災保険で早めの修理を
集水器は普段目につかない部分ですが、住宅劣化を防ぐための大切な設備です。
そのため、破損した際はすぐに修理するようにしてください。
また、集水器や屋根などが台風や積雪などの自然災害で破損した場合、火災保険で修理することができます。
火災保険を使って住宅を修理するためには、原則3年以内の破損という条件があるため、保険会社に早めに連絡して保険金の申請を行うようにしましょう。
TEL問い合わせ 7:00-20:00 年中無休 ※タップで通話できます】
記事監修:矢島 弘子 |
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火災保険請求・地震保険請求アドバイス業務に従事。年間200棟の調査を13年間継続して行い、建物調査後の損害鑑定人との立ち合いや交渉も行っている。外部の敷地内の申請はもちろん室内の汚損・破損の申請や給排水設備の申請も得意とし、 家財保険かけている方が知らないスーツのアドバイスなども行っている 東京都昭島市周辺でも2021年10月7日の地震被害はあり、 関東圏であればどこでも無料点検はすぐにご依頼ください。損はさせません。 |