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ここ最近の日本では、大型台風や豪雪による被害が相次いでいます。
2021年も、日本海側の地域を中心に大雪による被害が多く発生しています。
特に農業を営んでいる人にとっては、気が気でないのがビニールハウスの被害です。
そこで今回は、ビニールハウスに自然災害により被害が出たときに、どうすればよいのかを紹介していきます。
2022年も災害が多く発生することが予想されております。
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ビニールハウスが雪や突風で破損した時の申請方法
農家向けの損害保険については後述しますが、火災保険を活用してビニールハウスの修理をすることは可能です。
火災保険においては、ビニールハウスは「建物」の一部として扱われ、火事や自然災害による被害を受けたときには、保険会社に申請をすることで保険金を受け取ることができます。損害保険は、基本的に「申請主義」を採用していますので、以下のような方法で申請します。
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農業者向けの損害保険5選
農業用のビニールハウスに被害が出る場合、火事や台風・大雪、地震などさまざまなケースが考えられます。
そして被害の内容としては、ビニールハウスそのものである「施設」に被害が出る場合と、
ビニールハウスで栽培している「作物」に被害が出る場合があります。
農業者向けの損害保険を選ぶときは、
どこからどこまでをカバーしてくれるかという「補償の対象」がポイントになります。
そのほか、保険料と保険金のバランスも検討すべきでしょう。以下、主な損害保険を紹介しましょう。
NOSAI(農業共済)の補償プラン
農林水産省が提供、NOSAIが管轄している農業保険のひとつで、米、麦、果樹、家畜、農業用ビニールハウスなど、品目ごとに損害保険が用意されています。
基本的には自然災害による被害を補償するもので、農業保険の掛金の50%は国が負担することになっています。
この保険は国が運営に関わっている公的な保険制度です。
また、施設園芸農家の場合は「園芸施設共済」へ加入することとなります。
この共済では、台風や洪水・雪害などの自然災害だけでなく、
飛行機の墜落や車両の衝突などの事故によってビニールハウスなどに被害が出たときに補償してくれます。
該当施設の資産価値の8割を上限に共済金が支払われるだけでなく、復旧費用や撤去費用の補償をオプションで追加することもできます。
共済掛金は1.2%程度で、補償対象を限定した掛金の安いプランもあります。最近は補償内容が拡充されて、
小さな被害でも共済金を受け取れるように変更されています。
参照:NOSAI
収入保険
2019年(令和元年)から新しく始まった、農林水産省が提供している保険制度です。
すべての農産物を対象に、自然災害や市場価格の低下などによる収入減少を補償してくれるというもので、
基準収入の9割を下回った場合には、差額の9割を上限に補填します
。例えば、基準収入が2000万円で収入が0になった場合は、最大1620万円までを補償します。
保険料率は50%の国庫補助があり、その後の計算で1.08%となります。
この保険は、青色申告をしている農業者が対象で、青色申告の実績が1年分あれば加入できることになっています。
また、園芸施設共済とセットで加入することで、ビニールハウスの被害と収入の損失の両面を補償できます。
ちなみに、2020年(令和2年)の収入保険からは、保険料が安く設定されたプランも登場しています。
参照:農林水産省の収入保険
三井住友海上の農業者向けパッケージ商品「フード&アグリビジネス総合補償プラン」
損害保険大手の三井住友海上が農業者向けに販売しているのが
「フード&アグリビジネス総合補償プラン」です。
この保険は、作物にかける保険ではなく、食品工場に被害が出た場合や、
食中毒や海外輸出の賠償リスクや貸し倒れリスクなど、農業ビジネスに関して総合的に対応している損害保険です。
海外輸出や食品加工など大規模工場を運営している農業法人が対象で、所定の項目に応じたリスク診断を行って、その結果に応じた割引を適用して保険料を算出するものです。以下、一例を挙げておきます。
支払い限度額年間保険料約
火災保険 | 5000万円 | 26万円 |
賠償責任保険 | 1億円 | 24万円 |
海外生産物賠償責任保険 | 1億円 | 15万円 |
生産物品質保険 | 3000万円 | 14万円 |
専門事業者賠償責任保険 | 1000万円 | 23万円 |
共栄火災海上の農業保険
損害保険中堅の共栄火災海上が提供している農業保険には、以下の2つがあります。
まずは「農業応援隊」ですが、これは農業生産・加工・販売や飲食業に関するリスク対策として賠償責任・労務管理・休業のリスクのほか、
加工品の回収リスクなどを包括的に補償するものです。
必要な補償をまとめて、申し込みは1度で済むので契約手続きが容易です。
保険料は、売上高を基に算出されます。もうひとつが「農業賠償責任保険」で、
農業生産に特化したリスク対策として賠償責任リスクや加工品の回収リスクを中心に包括的に補償するものです。こちらの保険料は農地面積を基に算出されます。
参照:共栄火災
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ビニールハウスメーカーによる保険
ビニールハウスを設置するときに、メーカーで準備している保険に加入できます。
作物の被害はカバーしていませんが、ビニールハウスに関しては、メーカーならではの細かい修理サービスがあります。
基本的には、初期不良や予期せぬ事故による被害などを補償するもので、農業者が明らかに間違った使い方をして被害が出た場合は、補償の対象外となります。
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ビニールハウスに備えておきたい大雪対策グッズ
2021年1月14日の農業新聞によりますと、パイプハウスやビニールハウスなど農業施設5000棟が大雪により被害を受けています。
対応不可能な大雪の場合もありますが、被害を少しでも抑えるために備えておきたいグッズを紹介します。
●暖房
ビニールハウス内の室温を上げておくと、室外に降り積もった雪が溶けていくので、積雪によるビニールハウスの倒壊の防止につながります。
特に、雪下ろし作業が追い付かないレベルで積雪する地域においては、この方法が効果的です。
もし、暖房設備がない場合石油ストーブで対策ができますが、
くれぐれも火の元には気をつけましょう。
また、室温を上げすぎるとビニールハウス内の作物の生育に影響が出るリスクがあるので、
高い温度で長い時間キープすることは控え、少し温まった空気がビニールハウス内を循環するような形をおすすめします。
●潅水チューブ
夏場に潅水の省力化で使用される散水チューブは、冬の大雪対策でも活用できます。
ビニールハウスとビニールハウスの間に設置することで、脇に積もった雪がハウスを押しつぶさないようにできます。
このチューブを活用できるのは、いつでも水が確保できる環境にある場合に限定されるのですが、
除雪の労力を削減できる便利なアイテムですので、この環境が整っている場所では活用しましょう。
最後に、雪が積もってしまった場合の対策です。夜中に予想以上の積雪があった場合などは、除雪作業を行わなければいけません。
●ビニールハウス用の雪下ろし道具
ビニールハウスの屋根に積もってしまった雪は、固くなって重くなる前におろしておかなければ、
倒壊のリスクが高くなります。
しかし、雪の積もったビニールハウスに上ること自体危険が伴いますし、
上に上がってからも落下のリスクがあります。
また、作業中にスコップなどでビニールを傷つけてしまうリスクもあります。
そのため、ビニールハウス用の雪下ろし道具として、ビニールを傷つけないよう丸みを帯びた形状のもの、
先端にゴムがついているものなどを揃えておきましょう。
●融雪資材
雪を溶かす「もみがらくん炭」のような資材を散布すると、融雪が促進されるので活用しましょう。
融雪資材の散布量の10aあたりの目安は、
ようりんや炭カル等が40〜60kg、火山灰土等が40〜50kg、もみがらくん炭が10〜15kgとなっています。
散布後に、融雪資材が隠れてしまうレベルの積雪があれば、再度散布することになります。
このように、ビニールハウスの大雪対策は雪が降る前に行うことが望ましいです。
保険があるとはいえ、事前に対策を行うことで被害を最小限に食い止めましょう。
ビニールハウスで行いたい台風対策
ビニールハウスが台風被害を受けることは珍しくありません。
最後に、台風で飛ばされないようにするための対策法やグッズを紹介します。
●ビニールハウスの周囲に防風ネットを設置する
防風ネットは風圧を軽減するので、あるかないかでビニールハウスへの負荷が大きく変わってきます。
また、ビニールハウスの肩の部分から地面に向かってアンカーを打っておくと、強風による浮き上がりの防止につながります。
●ヒートポンプエアコンの稼働を停止する
ヒートポンプエアコンは、稼働を停止させておきましょう。
室外機はブルーシートで覆って、バンドでしっかり固定しましょう。
ヒートポンプエアコンを強風下で稼働すると、ファンの部分に負荷がかかってしまい故障するリスクが高くなります。
●換気扇を稼働する
換気扇がある場合は、必ず稼働させておきます。
これは、ビニールハウス内部の気圧を下げて、全体の浮き上がりを防止する効果がありので、台風シーズンには欠かさないようにしましょう。
●ハウスを補強する部材
少しでも被害を抑えるために、ビニールハウス自体の強度をアップすることが大切です。
その強度のアップのために、アーチパイプと直管パイプをダブルに止める専用部材が販売されています。
この部材を使うことで、ビニールハウスの上・横・斜めのそれぞれからハウス全体の強度を高めることができます。
●ビニール用の補修テープ
ビニールハウスを覆うビニールの破れは、最初は小さくてもどんどん大きくなってしまう可能性があるので、
細かくチェックし、小さい穴もすぐに補修しましょう。
●ビニールシートと布テープ
これらはすでに用意しているものと思われますが、何かと重宝しますので、常時用意しておきましょう。
室外機などビニールハウスの周囲にある機材を保護するなど、緊急事態の備えとして活用できます。
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記事監修:矢島 弘子 |
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火災保険請求・地震保険請求アドバイス業務に従事。年間200棟の調査を13年間継続して行い、建物調査後の損害鑑定人との立ち合いや交渉も行っている。外部の敷地内の申請はもちろん室内の汚損・破損の申請や給排水設備の申請も得意とし、家財保険かけている方が知らないスーツのアドバイスなども行っている東京都杉並区周辺でも2021年10月7日の地震被害はあり、関東圏であればどこでも無料点検はすぐにご依頼ください。 損はさせません。 |