公開日:2022年2月4日
屋根や外壁の塗装に使用される塗料には、「1液型」と「2液型」が存在します。
この分類は、塗料のグレードを意味する「アクリル樹脂塗料」「ウレタン樹脂塗料」「シリコン樹脂塗料」「フッ素樹脂塗料」のすべてに存在します。
つまり、塗料を選ぶときはグレードや水性塗料・油性塗料といったタイプだけでなく、
1液型・2液型のどちらかも選択しなければなりません。
では、この1液型と2液型の違いはどのようなものなのでしょうか。また、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
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塗料の概要
屋根や外壁用の塗料には、様々な商品が販売されています。
しかしながら、基本的な分類をするとそれほど多くの種類があるわけではありません。
簡単にいうと、塗料の分類は
①塗料のグレード
②水性塗料・油性塗料(水で溶かすかシンナーで溶かすか)
③1液型・2液型(主材と硬化剤が分かれているかどうか)
で決まります。
塗料のグレードについて
塗料のグレードは「耐久性」によって決まります。
この耐久性は素材によって変わってくるのですが、
外壁や屋根をどれくらいの期間に渡って保護できるかという意味です。
一般的には、一番グレードの高い塗料は
「フッ素」で「ラジカル」「シリコン」「ウレタン」「アクリル」の順で耐久性が低くなっていきます。
この中で、アクリル塗料とウレタン塗料はほとんど使用されることがなくなりました。
現在の主流はシリコン塗料と、新しく開発されたラジカル塗料です。そして、耐久性をさらに高めたい場合にフッ素塗料を使用しています。
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水性塗料と油性塗料の違い
続いて、水性塗料・油性塗料の違いです。
塗料というものは、単体では粘り気が強すぎてそのまま塗装には使用できません。
そのため、少し薄めて塗りやすい状態にしてから塗装に使用します。
この時、何で薄めるかによって塗料の種類が変わります。水で薄める塗料を「水性塗料」、
シンナーで薄める塗料を「油性塗料」と呼びます。
この時、塗料を薄めるとはいえ塗料全体の数パーセント程度の微々たるものです。
例えば、16kgの水性塗料を薄めるにしても、5~10%(0.8kg~1.6kg)ほどの水しか使用しません。
それくらいの水を混ぜ合わせるかは塗装をする
タイミング(気温・湿度・刷毛を使用するかローラーを使用するかなどの塗り方)で変わってきますので、
職人の腕が試されるポイントにもなっています。
水性塗料は水で薄めますので、匂いは少なめです。
また、人体や環境への悪影響も少なく、近隣への迷惑も少なくなるので、
住宅が密集している地域に向いている塗料といえます。
一方、油性塗料はシンナーで薄めますので、匂いがきつく近隣への悪影響もないわけではありません。
しかしながら、水性塗料と比較すると耐久性が高く強力な保護膜を作ることができるという利点があります。
とはいえ、地球への悪影響を考慮して、油性塗料ではなく水性塗料を推奨する動きは大きくなっています。
塗料メーカーも、油性塗料と同じレベルの耐久性を持つ水性塗料の開発などを行っています。
1液型と2液型の違い
ここまで説明してきたすべてのグレードの塗料には、それぞれ水性塗料と油性塗料があります。
さらに、「1液型」と「2液型」という分類もあります。
この「1液型」と「2液型」の分類については、
コーキング材やエポキシ樹脂塗料などの下地調整材にも存在します。
この1液型と2液型は、塗料が1つの缶の液体だけで塗料として使う事ができるのかどうか、
2つの異なる缶の液体を組み合わせる必要があるのかで分類が決まります。
つまり、1液型は「塗料缶は1つで水やシンナーを入れて薄めて塗料として使用する」もので、
2液型は「塗料缶は2つで、主材と硬化剤に分かれていて塗装直前に混ぜて塗料として使用する」ものです。
このような分類になるため、当たり前の話ですが2液型は主材と硬化剤をセットで仕入れることになります。
この2つの缶の液体を混ぜ合わると硬化反応を起こすので、塗装の直前に混ぜ合わせることになります。
この効果反応により強固な塗膜を作るので、別名を「反応硬化形塗料」「硬化反応型塗料」といいます。
実は、外壁や屋根の塗料の世界では2液型しかありませんでした。
しかしながら、2液型は使う直前に混ぜるという使用方法が難しく、さらに混ぜ始めた時から硬化がスタートし、
時間の経過とともにどんどん硬くなってしまいます。
この硬化のスピードは気温や湿度に関係するため、職人の腕が試されるだけでなく、
作り置きができないため使用する時ごとにまた新たに塗料を作る必要があるなどのデメリットがあります。
つまり、塗装作業に手間がかかりすぎる塗料なのです。
耐用年数も加味する
そこで開発されたのが1液型です。1液型は2つの液体を混ぜ合わせる必要がありませんので、
すぐに塗料として使用できることから作業の手間が一気に省けました。
実は1液型は硬化剤を使用しない塗料なのではなく、すでに適切な分量の硬化剤が混入されている塗料です。
そのため、1液型を使用してもいつまでも硬化しないのではなく、塗装をした後は塗膜としてしっかり張り付いてくれます。
ではすべての現場で1液型を使用すればよいのではないか?
と思うかもしれません。しかしながら、1液型は便利な分だけ2液型に劣る所があります。
1液型と2液型の一番の違いは、その耐用年数です。
耐用年数が長いということは、耐久性に優れているということです。
具体的には、2液型の方が1液型よりも3年ほど長持ちするといわれています。
ちなみに、とある有名塗料メーカーが販売している1液型と2液型の塗料の耐用年数は、どちらも「12~15年」と書かれています。
この3年が、1液型と2液型の違いになるという考え方です。
2液型は密着性が高い塗膜を形成するため、紫外線や雨風といった自然現象に対する抵抗力が強くなり劣化が起こりづらいことから、
耐用年数の上限である15年使用できる一方で、1液型の方は2液型ほど抵抗力が強くはないので、
耐用年数の下限である12年しか使用できないリスクがある、というような意味合いです。
立地にもよって変動はあるが
もちろん、この耐用年数もどのような場所に住宅があるかで変化します。
例えば、海の近くにある家は塩害被害が起きるリスクが高くなります。
自然が多い場所にある家は、昼と夜の寒暖差が激しかったり、
周囲に建物がないことから日差しが一日中当たったりするため、自然界からの影響が大きくなるリスクがあります。
全体的な耐用年数の変動こそありますが、同じ環境であれば2液型の方が1液型よりも3年ほど長持ちする傾向にあります。
また、1液型と2液型のもう一つの違いとして、金属部に塗ることができるかどうかというものがあります。
塗装する部分がすべて木材というように、金属部がない場合はどちらの塗料でも問題ありません。
しかしながら、金属部の塗装が必要な場合は1液型では対応できません。
金属部のためだけに、鉄部用の塗料を用意しなければならないのです。一方、2液型はどのような素材でも塗ることができます。
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このように考えると、1液型は便利ではあるのですが金属部がある場合は他の塗料が必要になるなど、作業が煩雑になってしまう可能性があります。2液型であればどのような場所でも使用できるので、職人の腕こそ試されますが塗料のムダは少なくなります。
混合の割合を確認すれば良い業者かどうかの判断ができる?
それでは、2液型についてもう少し詳しく見ていきましょう。
2液型は主材と硬化剤を混ぜ合わせて塗料として使用できるようになります。
しかし、この混合作業が非常に大変で職人の腕に頼ることになります。
主材に硬化剤を入れると、塗料は硬化を始めるのですが、わずか3~5時間ほどで固まってしまい塗料として使用できなくなります。
つまり、広い場所を塗る際に作り置きが全くできないというデメリットがあるのが2液型なのです。
作り置きができないので、何度も皇后作業を繰り返すことになり手間と時間がかかってしまいます。
また、主材と硬化剤の割合は塗料ごとに細かく決められていて、
計測器を使って正確な量を混合しなければ一番効果のある塗膜が形成されず、
すぐに塗膜が剥がれてきてしまう可能性もあります。この現象を硬化不良というのですが、後々トラブルになりかねません。
このように、混合した2液型塗料は保存がきかないため、作る量を間違えると塗料のムダにつながってしまうこともあります。
ちなみに、2液型にはこれ以上放置すると塗料として使用できなくなる制限時間である
「可使時間(ポットライフと呼ぶこともあります)」が設定されています。
この可使時間は温度によって変化するもので、気温が高いと可使時間は短く、低いと可使時間は長くなります。
2液型の塗料は使い勝手が良くない分、その耐久性には優れています。
つまり、正確に混合割合を測り使用している場合は、塗装が長持ちするというわけです。この混合作業を正確に行っているかどうかで、優良業者かどうかの判断ができるともいえます。
塗料の保存方法
1液型はすでに硬化剤が配合されているのですが、塗料として使用できる状態をキープしているという製品です。
しかしながら、少しずつですが硬化していくので、
半年から1年ほどで使用できなくなってしまいます。
そのため、それまでには使い切らなければなりません。
2液型の場合は、硬化剤の保管が難しいといわれています。
というのも、気温が高いところや直射日光があたるところに保存しておくとすぐ劣化してしまいます。
劣化した硬化剤を使用すると、硬化不良を起こしてしまうため塗装に使用できません。
2液型は仕入れ時は主材と硬化剤に分かれているので、硬化剤の保管方法にさえ気をつければ、
1液型よりも長期間の保存が可能です。もちろん混合していないことが条件になりますが。
とはいえ、硬化剤は保管に失敗すると劣化しやすいのでできれば製造されてから日が浅いものを使用することが望ましいです。
塗装工事中の写真をもらい工事終了後のしっかりチェックを
塗装工事の際は、基本的に三度塗りを行います。
下地を形成するための下塗りと、
塗膜を強化し発色を良くするための中塗り・上塗りです。
最近では、下塗りを二回行う四度塗りを実施している業者もあるようです。
この時、下塗り・中塗り時に写真を撮影してもらい、
その写真を見せてもらうようにしましょう。
これは業者が手抜きせずにしっかりと仕事をしているかどうかを確認するためで、優良業者であればまず拒まれることはありません。
また足場を解体する前に、上塗りの完成度のチェックも行いましょう。
この時に仕上がりが良くない箇所があればやり直しをお願いしましょう。
足場を解体した後だと、2階部分や屋根などのチェックができなくなってしまうため、必ず足場があるうちにお願いしてください。
このように、塗装工事の際は依頼主も責任を持ってチェックをすることが大切です。
優良業者は、ここまで依頼主も向き合ってくれるのであればその仕事ぶりに気合が入るというものです。
このタイミングで色々と言ってくる業者は、手抜き工事をする可能性があるので早めに見切りをつけましょう。
塗装工事を成功に導くためには、業者選びがとても重要になります。
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信頼できる業者を見つけるには
では、信頼できる業者を見つけるにはどうすれば良いのでしょうか。
最近は多くの塗装業者で自社のホームページを持っています。
まずはそこでどのような実績を持っているのかを確認しましょう。
多数の実績がある場合は、どのような塗料を使用してどのような塗装をしたのか仕上がりの写真が掲載されていますので、
何社かピックアップしてみましょう。
そして相見積を取ります。
相見積とは、複数社に同じ条件で見積を出してもらうことです。
この相見積を行うことで、その工事の相場が大体見えてきます。
例えば、A社・B社・C社の3社に見積をお願いして、
A社が100万円
B社が120万円
C社が200万円
という結果になったとしましょう。
こうなると、C社が明らかに高いので候補から外れます。
つまり、A社とB社が出してきた100~120万円が相場だということです。
その後は工事現場を見学させてもらったり、
営業マンの人となりを見たりして業者を絞っていきます。
特に工事現場を見せてくれる業者は、仕事に責任を持っている証明でもあるので高ポイントといえます。
優良業者を探し出して、塗装工事を成功させましょう!
記事監修:矢島 弘子 |
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火災保険請求・地震保険請求アドバイス業務に従事。年間200棟の調査を13年間継続して行い、 建物調査後の損害鑑定人との立ち合いや交渉も行っている。 外部の敷地内の申請はもちろん室内の汚損・破損の申請や給排水設備の申請も得意とし、 家財保険かけている方が知らないスーツのアドバイスなども行っている 東京都清瀬市周辺でも2021年10月7日の地震被害はあり、 関東圏であればどこでも無料点検はすぐにご依頼ください。 損はさせません。 |