公開日:2023年1月8日
建物のトラブルで多いものといえば、雨漏りです。
しかも、雨漏りは突発的に発生することも多々あり、いつ発生するかが予想しにくいケースもあります。
つまり、雨漏りが起こるであろうという準備をしている人は、ほとんどいないと思われます。
しかしながら、雨漏りを放置しておくと修理代がどんどんかさんでいってしまいます。
実は、雨漏りは火災保険で工事ができる場合があるのをご存知でしたでしょうか。
これは一般的な個人向け火災保険だけではなく、店舗などの法人向けの火災保険においても、
契約内容によって雨漏りの工事を火災保険で賄うことができます。
では、どのような状況であれば、雨漏りの工事を火災保険で修理できるのでしょうか。
建物診断と火災保険の活用を推進しております。
自然災害での被害を自覚されている方、過去3年以内に被害の工事を行った方はご相談ください。
火災保険金が受け取れる可能性があります。
建物を診断後、火災保険が認められない場合、お客様から費用をいただいておりません。
※一部地域は対象外の場合もございます。詳しくはお問い合わせください。
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火災保険が雨漏りに適用されるためには?
名前のために、実際の補償内容との間に相当な誤解があると思われるのが、火災保険です。
「火災」保険という名前がついている以上、
補償される被害は火災によるものだけと思われがちです。
しかしながら、火災保険は契約内容によって、
多くの自然災害による被害の補償を受けられますし、
盗難や衝突など突発的・偶発的な事故の補償を受けることもできます。
その火災保険の補償対象となるのが「建物」と「家財」です。
補償対象は、契約時に「建物のみ」「家財のみ」「建物と家財の両方」の3つの選択肢から選ぶことになりますが、
店舗などの法人の場合は「建物と家財の両方」にしておくことで万全の体制を整備しておくことをおすすめします。
そして、契約内容に「風災・雪災・雹災補償」を含めることで、多くの雨漏り被害が補償対象となります。
この補償があると、台風や強風、大雨、大雪、雹などの自然災害による被害が補償されるため、
これらが原因で起きた雨漏りが火災保険で修理できるようになるのです。
風災により雨漏りが起こることは多い
実際、風災により雨漏りは発生しやすくなります。
というのも、台風や竜巻・暴風など強い風と大雨がセットでやってくると、
被害を受けた屋根から雨水が建物の内部に浸入し、屋根裏や壁の内部を伝って、天井や内壁から染み出してくるからです。
このような自然災害が原因で起こった雨漏りは、火災保険の補償対象となります。
具体的には、台風によって屋根材が吹き飛ばされて雨漏りが発生した場合や、
台風で飛んできた飛来物が外壁にぶつかり雨漏りが発生した場合、大雨や豪雪で雨樋が壊れて雨漏りに発展した場合などが対象となります。
こんな記事からも良く問い合わせが入っております:【地震保険の一部損の基準をプロが現地の目線で解説!】
火災保険が適用されないケースもある
火災保険で補償される被害は、あくまで火事や自然災害(地震・噴火・津波による被害は除く)なので、
それ以外の原因で雨漏りが起きた場合は補償対象にならないことがあります。
具体的には、以下のようなケースでは火災保険が適用されないので、自費で修理することになります。
●経年劣化による雨漏り
火事や自然災害とは無関係に、単なる経年劣化によって雨漏りが発生した場合は火災保険の補償対象にはなりません。
屋根や外壁は、新築で建ててから時間が経つにつれ劣化していくものです。
そのため、経年劣化による雨漏りも火災保険の補償対象にしてしまうと、保険会社の経営は成り立ちません。
定期的なメンテナンスを行わずに、10年以上放置している屋根や外壁で雨漏り被害が発生した場合は、
経年劣化と判断されることが多いので、定期的なメンテナンスは欠かせません。
また、屋根の経年劣化はなかなか気づかないことが多く、あまりに劣化が進んでいる状態ですと、
雨漏りどころか屋根が壊れてしまうこともあるので注意が必要です。
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●リフォーム時の不良による雨漏り
屋根の塗り替え・葺き替えや増築などを行ったときに、
誤って屋根材などを割ってしまうなどして、
雨漏りの原因になる可能性はゼロではありません。
このケースも、リフォーム会社の人的ミスと判断されるので、火災保険の補償の対象外となります。
ソーラーパネルを追加で設置したときに雨漏りが発生したときも、
同様の判断となります。
この場合は、自ら望んでソーラーパネルを設置したと判断されてしまうため、火災保険の補償対象にはなりません。
とはいえ、リフォームやソーラーパネルの設置の人的ミスは業者の責任になるので、
業者に修理代を賄ってもらうことになります。この際注意したいのは、
業者がリフォーム保険に入っていることを確認することです。
リフォーム保険に入っていない業者の場合、雨漏りのような案件は、
後々トラブルになってしまう可能性があります。
このように、火事や自然災害以外が原因となる雨漏りは、
火災保険の補償対象外となります。
しかしながら、台風が来るたびに屋根をチェックするのは難しいと思いますので、雨漏りの原因が何かは専門家でも難しいといわれています。
雨漏りに関して心当たりのある場合は、後述しますが事業者災害対策機構に相談してみることをおすすめします。
緊急時には工事後申請という手もある
お客さんに迷惑がかかってしまうため、雨漏りが起きたら一刻も早く直したいですよね。
そんな時は、工事をしたあとに火災保険を申請するという「工事後申請」という手もあります。
用意する必要があるもの
・工事前・後の被災箇所の写真
・工事代金の見積りと領収書
以上のものが必要となるので注意です。デメリットとしては、
本来の流れである、火災保険申請をして、保険金がおりてから工事をするよりも、
満額おりないというリスクがある程度高くなってしまう点です。
「被害がひどいので、今すぐに直したい!」という場合でなければ、
申請をして、保険金がおりたあとに工事をするのが無難だと言えます。
賃貸店舗に雨漏りが生じた場合は?
賃貸の場合は、ご自身で建物を所有している店舗とは勝手が違い、
大家(オーナー)や管理会社へ連絡する必要があります。調査の日程を確実に決めてもらいましょう。
工事までに応急処置が必要です。バケツやぞうきん、ブルーシートなどでカバーをしましょう。
雨漏りの修理で火災保険を使う際に注意すべきこと
雨漏りの修理費用を火災保険で補償できるということは、経費の削減につながります。そのため、計画的に火災保険に加入することがポイントになります。しかし、火災保険に加入するだけでは万全な準備とはいえず、以下に紹介するようなポイントにも注意しましょう。
●業者とは火災保険が下りることが確実になってから契約する
雨漏りの工事を火災保険で賄おうとしても、上述のような判断がされる場合があるため、
最終的に保険金がおりるとわかるまでは安心できません。
もし火災保険が使えないのに事前に修理業者と契約していると、
工事を行うにしてもキャンセルするにしても自己負担のお金が発生します。
優良業者は最終的に保険金がおりない可能性があるため、最後まで契約をしないで待ってくれるケースもありますが、
悪徳業者の場合はとにかく契約を急かされます。
それで先んじて契約をしてしまうと、後々トラブルにつながる可能性があります。
とはいえ、雨漏り被害がひどい場合は、保険金が支払われるのを待たずして工事をスタートするということもあるでしょう。
この場合は、お客様ファーストに立ってくれる、火災保険の活用に精通した専門業者に依頼することが大きなポイントになってきます。
●自然災害による被害を受けた後3年以内に申請する
火災保険の有効期限…いわゆる時効は「3年」です。そのため、
自然災害に遭った日が3年以内であれば火災保険の申請が認められています。
これは工事を3年以内にする必要があるという意味ではなく、申請を3年以内にするという意味です。
とはいえ、火災保険の申請は被害があった後すぐにするのが望ましいでしょう。
というのも、時間が経てば経つほど、その被害が自然災害によるものだということを証明するのが難しくなってしまうので、
経年劣化と判断される可能性が高くなってしまうからです。
ここでも悪徳業者は契約を急かすので、その点は注意しましょう。
●申請から保険金が支払われるまで1~2か月ほどかかる
火災保険金は、申請してすぐに支払われるわけではありません。申請書類のチェックの後、
保険会社が派遣する損害保険鑑定人の調査を経て、
保険会社が最終的に金額を決定します。
そのため、申請から振込まで1~2か月ほどかかるのが普通です。
しかし、保険金がおりるのを待っている間に、二次被害が出てしまう可能性もあります。
二次被害に関しては、火災保険の対象外になることが多いので、応急処置はしておくようにしましょう。
この点も、優良業者に依頼できれば、火災保険を活用しながら上手にやってくれます。
屋根の種類とメリット・デメリット
雨漏りは屋根から起こりやすいのですが、屋根材によってはどのような違いがあるのでしょうか。
現在の建物や店舗でよく使用される3種類の屋根材を見ていきましょう。
●瓦屋根
日本の伝統的な屋根材で「陶器瓦」「セメント瓦」が一般的な建物に使用されます。
最近の新築の建物では、後述するスレート屋根やガルバリウム屋根の建物が増えましたが、
瓦屋根は何といっても長持ちするのが一番のメリットです。
メンテナンスをしっかりしていれば、50年以上長持ちすることはざらですし、
火や水に強いというのも大きなポイントです。
ただし、高級な瓦の場合、全部を葺き替えるとなると100万円近い費用がかかるのはデメリットといえます。
昔はかなりの重量でしたが、最近は軽量化された瓦も多く出ているため、重さのデメリットは解消されつつあります。
その中で、気温の変化に強く、夏は涼しく冬は暖かいというのは日本の気候に合っているといえます。
ただし、
台風や突風により瓦が飛ぶ可能性があること、気温の変化や凍結でひび割れが起こる可能性があることは覚えておきましょう。
●スレート屋根
セメントと粘土を固めて作った屋根材で、特に最近の新築住宅では多く採用されています。
「カラーベスト」「コロニアル」とも呼ばれることがありますが、
これはスレート屋根の商品名です。
平べったい板状で非常に薄いのが特徴で、表面を着色できるのでデザイン性も高くなります。
厚みをもたせて瓦形状にしたスレート屋根は、
瓦屋根よりも安く軽いので以前は重宝されましたが、耐久性がなく、平板のスレートよりも高いために製造数が急減しています。
工場など大型の建物では波型に加工したスレート屋根が採用されることが多くなっています。
また、天然石が使われ耐久性が高く色あせないスレート屋根もあります。
スレート屋根はコストパフォーマンスが高く、機能性に優れているのはメリットで、
太陽光や風雨など自然環境に強いこともあり、多くの住宅で採用されるようになりました。
しかしながら、
軽量のために外れかかっているときに強風が吹くと簡単に吹き飛ばされてしまうため、
定期的なメンテナンスが必要というデメリットがあります。
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●ガルバリウム屋根
錆びにくいメッキを塗った鋼の板のことで、金属製の屋根材です。
薄くて加工がしやすいことから、屋根以外にも外壁や雨樋などにも使用されます。
そのガルバリウム屋根の特徴といえば、その加工のしやすさからどんな形の屋根にも馴染むこと、
金属製なので防水性が高いことです。そして地震にも強いというのもメリットでしょう。
しかし、断熱性が低いので、部屋の中が夏は暑く冬は寒くなりがちです。
また、遮音性が低いので雨音が響くというデメリットもあります。
屋根材の耐久年数と定期メンテナンスの目安
このように、屋根材には主に3種類がありますが、
それぞれ耐用年数も定期的なメンテナンスの目安も違います。
以下に、それらをまとめました。
- 瓦屋根…耐久年数は50~100年、メンテナンスの目安は25年
- スレート屋根…耐久年数は15~20年、メンテナンスの目安は20年
- ガルバリウム屋根…耐久年数は15~20年、メンテナンスの目安は20年
こうしてみると、瓦屋根の耐久性は抜群ですが、コスト的には一番高くなってしまいます。
そのため、瓦屋根の葺き替えの際にスレート屋根やガルバリウム屋根に変更する事例も増えてきています。
火災保険でお悩みの際は事業者災害対策機構にご相談を
このように、屋根材は種類によって耐久年数が異なるため、
定期的なメンテナンスの目安も変わります。
しかしながら、常に風雨にさらされている屋根材の劣化は避けることができません。
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記事監修:矢島 弘子 |
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火災保険請求・地震保険請求アドバイス業務に従事。年間200棟の調査を13年間継続して行い、 建物調査後の損害鑑定人との立ち合いや交渉も行っている。外部の敷地内の申請はもちろん室内の汚損・破損の申請や給排水設備の申請も得意とし、 家財保険かけている方が知らないスーツのアドバイスなども行っている 埼玉県春日部市市周辺でも2022年6月3日のヒョウ被害があり 、関東圏であればどこでも無料点検はすぐにご依頼ください。 損はさせません。 |