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塩害とは?気をつけるべき距離と地域、対策、業者選びのポイント

看板破損

公開日:2021年11月23日

海に近い場所での生活は誰もが憧れますが、「塩害のせいで壁や車が錆びる」と聞くと、実際に住むときに少し不安ですよね。

たしかに塩害は住居の外壁や屋根にダメージを与えますが、毎日のメンテナンスや適切な対策を取ることで被害を最小限に抑えられます。
当記事では塩害に関する基礎知識や対策に至るまで、以下の要点に分けてご紹介します。

 塩害のメカニズムや実害、被害が及ぶ範囲
 建築物を守るために行うべき塩害対策
 塩害対策を業者に依頼する際の注意点

最後まで読めば塩害についての正しい知識が身につき、海辺に家を建てる際の不安が解消されるでしょう。

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塩害とは?メカニズムや実害、被害が及ぶ範囲

塩害とはその名の通り「塩」に関連する災害を意味し、大気や風、土壌(土)の中の塩分濃度が高くなることで引き起こされます。

たとえば、塩分を多量に含んだ海風が建築物や車に吹き付けることで、錆や劣化が起こりやすくなるのも塩害の影響です。

また、最近は農業を営むうえでも懸念されており、塩害のせいで農作物が育たないという事例も多く報告されています。

こうした塩害の被害を最小限に抑えるための対策を講じるには、塩害についての基礎的な以下の知識を身につけることが大切です。

 塩害が発生するメカニズム
 塩害が引き起こす被害
 塩害を受けやすい建築物・農作物
 塩害に気をつけるべき距離や地域

塩害は被害を受けやすい建築物や素材があったり、海辺からの距離や地域によって「塩害地域」が設定されていたりと、事前に知っておくべき情報は多いです。

なぜ塩害が発生するのか、基本的な部分から順番に見ていきましょう。

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塩害が発生するメカニズム

塩害にはコンクリートや金属などの「建築材の塩害」と、「農業地の土壌の塩害」の2つの種類が主に存在します。

建築物と土壌の塩害はどちらも、「塩化物イオン」が要因です。

コンクリートや金属などの建築材

・コンクリートや金属の表面に外来塩分(外からきた塩分)が付着することで、鋼材の不動体皮膜(腐食を防ぐ膜)が破壊される
・破壊・腐食が進み、それに伴う体積の膨張圧によって、ひび割れや鋼材経の減少、剥離などが起こる

土壌

・肥料に含まれている塩化物イオン以外の成分が作物の吸収された結果、残った塩分が土の栄養分と化学反応を起こす
・同じ作物を同じ場所で育て続け、特定の栄養素だけが吸収されやすい連作障害も

メカニズムと結果は鋼材と土壌で違いますが、双方とも塩分濃度が高くなりすぎることが原因で発生します。

たとえばコンクリートだと、以下の流れで塩害被害が進みます。

1. 潮風や海砂が表面に付着し一定以上の塩化物イオンが侵入する
2. アルカリ性であるコンクリート(ph12~13)に形成されている、腐食を抑えるための膜が破壊される
3. コンクリート内の鉄筋が腐食により膨張(2~4倍)し、表面にひび割れが発生する
4. さらに破壊が進む

こうした多量な塩分の混入は、鋼材のバリアの破壊、土壌の栄養バランスの崩壊など、それぞれに悪影響を及ぼします。

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塩害が引き起こす被害

建築物に塩害が発生すると、耐久性などが低下する恐れがあるでしょう。
塩害が引き起こす被害で有名なものには以下があります。

 鋼材のひび割れ
 表面剥離
 断面の欠損
 電線腐食による漏電や発火
 車や建物外壁の腐食や劣化
 土壌の塩害による農作物の成長阻害と不作

建築物の塩害は台風による海水・潮風の吹き付けによっても発生するため、たとえば台風の後は電車や電線に不具合が生じ、運行が停止することも多いです。

また、雪国で使用する融雪剤(凍結防止剤)にも塩化物が含まれているタイプがあり、その塩分が道路のひび割れの原因となるケースが懸念されています。

塩害を受けやすい建築物・場所

工場 雨漏り

工場 雨漏り

塩害の被害をとくに受けやすいとされる、建築物や場所をまとめました。

塩害に気をつけるべき建築物

塩害の被害を受けやすい建築物は以下の通りです。

 建物の外壁
 住居の屋根や扉、雨戸
 工場の配管類
 鉄柵や門

建築物の中でも、トタンやアルミなどの「錆が発生する金属」を使用している部分が、耐久性や見栄えの部分でもっとも被害拡大しやすいです。

また、セメントや骨材、混和材料の元々の塩分含有量が多い場合も、通常より塩害の影響が大きくなると考えられています。

塩害が発生しやすい場所

建築物の塩害が発生しやすい場所は、主に「風にさらされやすく、雨水が当たりにくい場所」です。

風で運ばれてきた塩分が付着しやすく、なおかつ雨で塩分が洗い流せずに蓄積・滞留しやすいことが原因となっています。

具体的には、以下の場所に注意を払いましょう。

 軒下(屋根の下)にある金属や電気ボックス
 潮風の吹付けが強い室外の壁
 立地場所の標高や階層が高い海辺の住宅

もちろん、海辺に近ければ近いほど塩害の侵蝕度合いも大きいため、より強固かつ迅速な対策が必要です。

また、海辺から5km以上の距離があったとしても塩害被害は発生するため、警戒が必要であると覚えておいてください。

塩害に気をつけるべき距離や地域

塩害被害を受けやすい場所は「塩害地域」と呼ばれ、主に海からの距離によって定義しています。

500~7000mの範囲で決まっており、さらに近い200~500mだと「重塩害地域」とも言われます。
とくに季節風が強い東日本の日本海側と、台風が多い沖縄や九州地方は塩分が運ばれやすいため、塩害地域の範囲も広く設定されています。

建築物を守るために行うべき塩害対策とメンテナンス

海辺での生活を考えた場合、自宅や自車に塩害対策を講じることは必須要項です。

影響を0にすることは難しいですが、事前に対策を実施しておけば、被害を最小限に抑えられるでしょう。

具体的には、以下の塩害対策がおすすめです。

 塩害に強い素材や塩害仕様の製品を選ぶ
 塩害に強い塗料に塗り替える
 機器の設置場所を考える
 自分でこまめに清掃を行う

基本的には塩害への耐性があるものに替えつつ、塩分を定期的に落とす作業が重要になります。

塩害に強い素材や塩害仕様の製品を選ぶ

建物の建築前であったり、建て替えの予定があったりする場合は、塩害に強い素材を選ぶことをおすすめします。

たとえば、以下の素材は塩害に強いとされています。

ガルバリウム鋼板

・アルミニウムや亜鉛が含まれていて錆びにくい

・耐久性が高い

・錆びにくいだけでいずれ錆びる

 

ステンレス

・錆に対して強みがある

・鉄にクロムを添加した素材のため不動態皮膜が形成

・さらにニッケルによって耐食性を向上

 

樹脂サイティング

・錆や腐敗がほぼない塩化ビニル樹脂

・耐火性や耐久性も高い

・耐用年数が数十年単位

・とくにおすすめ

上記の素材を使用しつつ、塩害に強い塗料で上から塗装を施せば、さらに強い塩害対策となるでしょう。

一方で、近年では塩害仕様と呼ばれる、塩害に強いエアコン・給湯設備なども誕生しているため、そちらの製品を選ぶのも良いでしょう。

ダイキンのエアコンや三菱の「エコキュート」などが、代表的な塩害仕様の製品です。

塩害に強い塗料に塗り替える

塩害を防止するためには、耐性(耐塩性・耐久性など)が高い塗料で表面を塗装する方法も有効です。

とくに住居の外壁や屋根は自分でも対処しやすいため、早めの対策をおすすめします。

使用するのは「フッ素塗料」や「無機系塗料」など、値段の高い塗料を推奨します。

 塩害への耐久性がアクリルやシリコンより高い傾向がある

 紫外線関係の劣化や汚れにも強い

 耐用年数が20年近くある

 

値段が高い分、性能や耐久性に優れているため、

合計のコストや塗りの労力を考えると最終的にお得になります。

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機器の設置位置を考える

 

給湯器や室外機などの機器を塩分から守るためには、設置位置を考慮することも重要です。

海側とは反対側に設置する、屋内に入れる、全体覆うような構造を作るなど、潮風を遮断する措置を取ってください。

換気扇や室外機などの外気を取り込むタイプは機器内部の劣化にもつながるため、とくに意識して設置位置を検討しておきましょう。

自分でこまめに清掃する

高圧洗浄

素材や塗料の性能に頼るだけでなく、日頃のこまめな清掃が塩害対策として大切です。

外壁や屋根に滞留している塩分の、定期的な実施を推奨します。

真水で外壁や屋根を洗い流す、塗料が落ちないようにブラシで掃除するなどを心がけてください。

台風や強い風に見舞われた数日間は、とくに念入りに行いましょう。

このとき、高圧洗浄機や硬いブラシを使用すると、表面の塗料が剥がれてしまうため注意が必要です。

「自分やってみてもし失敗したらどうしよう」と不安な場合は、塗料の塗替えやメンテナンスを業者に依頼することをおすすめします。

塩害対策を業者に依頼する際の注意点

塩害対策はプロである業者への依頼がもっとも安心かつ信頼できますが、依頼する業者も事前に検討することも大切です。

以下のポイントを押さえつつ、依頼する業者を選んでください。

 塩害対策の実績や経験が豊富か

 価格設定が明確になっているか

 アフターケアは万全か

 

業者の選定に失敗すると、何度も工事が発生してランニングコストが膨大になります。

また、屋根の修理で適用できる火災保険は、塩害では保険金がおりにくいことも覚えておきましょう。

塩害対策の実績や経験が豊富か

業者を選ぶ際は、必ず塩害対策の実績や経験が豊富かどうかをチェックしましょう。

沿岸部に近場に拠点を置く業者であれば、塩害対策に強いと考えられます。
とくに、住居地域に精通した知識や経験を持っているかが重要です。

地域によって風の強さや向き、塩害の進行度合いも変動するため、あなたの住居に最適なメンテナンスを提案する業者を選んでください。

 塩害に強い塗料を使用する

 塩害に最適な下地処理・塗布量で施工する

 塩害に強い部分や弱い部分を熟知している

 

値段だけではなく、これまでの施工実績や塩害への知見、地域での活動記録の事前確認をおすすめします。

価格設定が明確になっているか

見積もり 事例②

見積もり 事例②

工事の見積もりを確認したとき、本当に適切かつ明確な価格設定になっているかにも注目しましょう。

高すぎる工賃を要求する業者は、価格を水増しして請求している可能性があります。

使用する塗料の料金や、明確な工事内容が見積書に記載されているかは、必ず目を通すようにしてください。

他の業者にも同じ工事の見積もりを取る「相見積もり」も効果的です。

アフターケアは万全か

業者に工事を依頼したとき、工事後のアフターケアが万全かどうかも依頼前に確認してください。

とくに塩害地域の場合は外壁や塗装が劣化しやすいため、施工後の管理についても保証がないと、修繕のたびに無駄な出費が発生するかもしれません。

同時に、業者が使用する素材や塗料の耐久性が適切かどうか(フッ素塗料を使っているか)などのチェックも行いましょう。

火災保険は適用されにくい

火災保険申請 営業資料

火災保険申請 営業資料

通常、災害に起因する屋根の工事や住居の修繕には火災保険が適用されますが、塩害の被害の場合は適用されにくいと考えておいてください。

塩害の被害は経年劣化と捉えられることが多く、火災保険は経年劣化には対応していないためです。

火災保険が適用される範囲は、あくまで直接的な水害や風害などの自然災害に限ることを覚えておきましょう。

台風による潮風や海水が起因の劣化は補償されませんが、暴風による屋根の破損や外壁の崩落、床下浸水などの被害は火災保険がおりる可能性があります。

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適切な塩害対策で海辺でも快適な生活を!

海辺近くに住宅を構えたい方は、塩害についての正しい知識を身につけておいてください。

 住居の塩害は風で運ばれてきた塩分の蓄積が引き起こす

 塩害対策の基本は塩分を外壁や車に付着させない

 正しい塗料や素材の使用、日々の清掃で塩害が進みにくいように工夫する

 塩害対策は業者への依頼がおすすめ

 

沿岸部の生活と塩害は切っても切れない関係であるため、避けるのではなく適切に対処することが大切です。

充分な塩害対策、ときには信頼おける業者との関係を構築し、快適な海での生活を楽しんでください。

記事監修:矢島 弘子


火災保険請求・地震保険請求アドバイス業務に従事。年間200棟の調査を13年間継続して行い、建物調査後の損害鑑定人との立ち合いや交渉も行っている。外部の敷地内の申請はもちろん室内の汚損・破損の申請や給排水設備の申請も得意とし、家財保険かけている方が知らないスーツのアドバイスなども行っている塩害や鹿児島の火山灰などネットであまり情報がのってない保険請求相談も受け付けております。気になる点だけに焦点を当てず、ゴールから逆算した解決方法をご提案
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