記事監修:矢島 弘子 |
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火災保険請求・地震保険請求アドバイス業務に従事。年間200棟の調査を13年間継続して行い、建物調査後の損害鑑定人との立ち合いや交渉も行っている。外部の敷地内の申請はもちろん室内の汚損・破損の申請や給排水設備の申請も得意とし、家財保険かけている方が知らないスーツのアドバイスなども行っている築古戸建てであれば数百万で購入ができるので複数棟所有のオーナー様、コンテンツ書いてほしいと希望があり監修 |
築年数が古い家にお住まいで火災保険にご契約している方は、ご加入して以来、見直しなどをされていない方がほとんどではないでしょうか?
「築年数が古いので、火災保険に加入してなくてもいい?」
とお考えの方もいらっしゃることでしょう。
火災保険は時代と共に保険金の設定方法が変わり、旧いタイプの保険ではいざという時に十分な補償が受けられない可能性があります。
また築年数の古い家だからこそ火災保険に加入し、災害時には手厚い補償を受けられるようにした方が良いでしょう。
新・旧両方の火災保険について知り、特に、旧い火災保険の見直しのポイントを確認しておきましょう。
そして築年数の古い家にこそ、かけるべき火災保険の補償内容や特約、加えて地震保険の必要性についても本記事でご紹介します。
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旧タイプの火災保険は注意!見直しが必要なケースや保険金の設定方法を解説します
「築年数の古い家に対してかけた火災保険。加入以来、自動更新のまま…」
「住宅ローン契約時に火災保険に加入し、そのまま更新し続けている」
という方は要注意です。
火災保険は経済・時代の流れと共に保険料率や保険金の設定方法・金額等が変化します。
旧いタイプの保険や住宅ローン契約時の保険そのままでは、災害に遭った時に十分な保険金がおりない可能性も出てきます。
それでは実際に、火災保険の見直しが必要なケースを見ていきましょう。
1998年以前に火災保険を契約し、現在も自動更新中
この「1998年」に、保険料率が改正となり保険料率を算定していた組織が定める保険料率の使用義務が廃止され、
建物の構造や所在地によるリスクに応じた「参考準率」方式が主流となりました。いわゆる「保険料率の自由化」です。
1998年以前に契約した火災保険を自動更新している際は、建物の評価額と補償額にズレが生じている可能性が高いです。
保険会社と相談し、保険の見直しを行いましょう。
住宅ローン契約時に火災保険に加入、そのまま自動更新中の方(一部保険に注意)
住宅ローンを契約した際に火災保険に加入し、そのまま自動更新…という方は数多くおられます。
ローン契約時に火災保険に加入した場合、ローンの借入額で保険金の設定が決まるケースが多いですが、建物の一部にしか保険がかかっていない状態(一部保険)となります。
一部保険については後に詳しく解説しますが、保険金が十分におりない可能性が高いため見直しの必要があります。
リフォームを報告していない・保険の見直しを行っていない
1998年以前の保険でなくても、見直しをしていない際は保険金の設定が十分でない「超過保険」もしくは「一部保険」になっている可能性があります。
リフォームをされたことを保険会社に報告せず、保険更新を行っている場合も保険金額が十分ではない可能性が高いです。
リフォームをしたあとは保険会社に伝え、新たに火災保険を組みなおしましょう。
火災保険の保険金額の設定方法は「時価」「再調達価額」といった方式があります。「超過保険」「一部保険」と併せてどういう意味かを詳しく見ていきましょう。
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築年数が古い家にかける火災保険。「本当に安くていいの?」火災保険の保険金設定について
火災保険の保険金の設定方法は「時価」「再調達価額」という方式があり、旧タイプの保険は時価方式になっています。
その場合は新しく「再調達価額」で保険を見直した方が良いのですが、「時価」「再調達価額」とはいったいどういう意味でしょうか?
旧い「時価方式」にしていた場合に陥る「超過保険」の状態や、住宅ローンを組む際に加入し、そのまま更新した場合に多い「一部保険」についても勉強していきましょう。
時価と再調達価額
火災保険では保険契約時に「時価」と「再調達価額」という2つの保険金の設定方法があり、現在の火災保険では「再調達価額」方式が主流です。
「再調達価額」とは新価あるいは再取得価額とも呼ばれ、火災保険の対象となる建物や家財と同等の物を購入・再取得するために必要な金額を指します。
住宅や建物の場合は所在地や部材・延べ床面積等から算出されます。
一方で「時価」は「再調達価額」から経過年数に応じて老朽化・劣化した消耗分を差し引いた金額です。
よって保険金の支給額は家の築年数が古くなるほど減っていきます。
災害に遭われた場合、時価方式の場合は十分な保険金が支払われない可能性がありますので保険の見直しをおすすめします。
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超過保険と一部保険
保険金額の設定方法が「超過保険」「一部保険」となっている場合も注意が必要です。
「超過保険」とは契約の金額が実際の評価額を上回る保険のことで、多くの保険会社は「実際の評価額を超えた場合、保険の支払い対象としない」と定めています。
「超過保険」は時価方式で火災保険を契約している際に起こります。
例えば契約当初に建物の評価額が2,000万円の保険金額と掛け金を設定したとしても、時価方式では年月が経過すると共に評価額は下がっていきますので、
15年経って1,000万円の評価額になった建物に対し、2,000万円分の掛け金を払っている状態になります。
保険が一部しか掛かってない一部保険
もう一方の「一部保険」とは、契約金額が建物や家財の実際の価額に満たない保険で、
“建物・家財の一部にしか保険金をかけていない”と判断され、保険金が削減されるケースです。
例えば2,000万円の家に対して、損害保険金の上限が1,000万円の火災保険に加入している場合、“50%しか補償を付けていない”とみなされ、1,000万円の損害を受けたとしても500万円分の保険金しか下りないケースが存在します。
「比例填補方式」と呼ばれています。
超過保険は保険の掛け金が必要以上に高くなっている可能性があり、一部保険では損害のすべてをカバーできません。
現在の火災保険は「再調達価額」方式が主流となっていますが、1998年以前の火災保険は「時価方式」かつ「比例填補」になっています。
「比例填補」方式とは一体どのような方式でしょうか?現在 主に適用されている、「実損方式」について見ていきましょう。
比例てん補方式と実損払い
「比例填補方式」と呼ばれる保険金額の支払いは、
損害額 × 保険金 / 対象物の価額 - 自己負担額
で支払保険金額が決定されます。
保険金額が時価で設定されている場合は「比例填補」となりますので、損害保険金では家を再調達することが難しくなります。
現在は「実損払い方式」が主流となっており、定められた上限額までの実際の損害額が支払われます。建物に1,000万円の損害があり、
上限額を上回っていない場合は1,000万円の保険金が支払われますので、家の損害を保険金でカバーできる十分な補償がかかっている状態であると言えます。
建築費上昇で保険金が足りないリスクも
何度も重複しますが、火災保険は加入後も定期的な見直しが必要となります。
例えば取得金額が3,000万円の家に保険を掛けた後に、建築費用や人件費などが上昇。その後、災害に遭った時に、
再度同じ価値の家を購入するために3,000万円以上必要となることがあります。
結果的に再調達価額方式で保険を掛けたとしても、保険金では足りないという結果に陥ってしまいますので、定期的な見直しが必要となるのです。
古い保険見直しのチェックリスト
上記の情報をまとめた「築年数の古い家にかけている、火災保険を見直す際のポイント」をチェックしてみましょう。
- 火災保険の契約が1998年以前ではないか
- 時価方式ではなく再調達価額方式になっているか
- 実損払いになっているか
- 住宅ローンの借入金が保険金額として設定されていないか
- 保険の見直しを3~5年ごとに定期的に行っているか
- 設定されている損害保険金で現在の家と同等の価値の家を調達できるか
築年数の古い家に最適な火災保険とは?
「築年数が古いので、高額な保険をかける必要は無い」と思っていませんか?
古い家だからこそ、災害に遭われた時には新たに家を購入・賃貸・再建しなければならない可能性が高く、十分な補償を得られる備えが必要になります。
築年数の古い家は、木造や耐火機能が十分ではない建物が多いため、火災が起きた時に規模が大きくなる可能性が高く、損害規模は大きくなりがちです。
古い家だからこそ手厚い補償が受けられる火災保険を選び、災害時に備える必要があるのです。
では、次に火災保険を見直す際の注意点を確認しましょう。
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築年数の古い家で火災保険を見直す際の注意点
古い家でも再調達価額で火災保険を掛けることは可能ですが、
「適正なメンテナンスを行っている」
「現在居住している」
などの、条件を付けている保険会社もあります。
また木造で耐震性が低い物件等は保険料が高くなる場合があります。
いずれの場合も物件により保険料は異なりますので、まずは保険会社に見積もりを依頼してみましょう。
保険商品の中には、長期契約や保険証券の発行不要を選択、インターネットでお申し込み、保険料を一括払いにするなどで保険料が割引きになることもあります。
保険会社により割引制度は異なりますが、制度を上手く活用し、保険料を抑えていきましょう。
延焼被害に備える、類焼損害補償特約
住居で火災を起こしてしまい、近隣に延焼してしまうケースがあります。築年数の古い木造の家は火災や延焼が広がりやすく、類焼損害補償特約への加入をおすすめします。
類焼損害補償特約は、ご自宅からの火災・爆発などにより、近隣の家や家財に与えた損害を補償します。
「失火責任法」という法律により、重大な過失がある場合を除いて、他人に延焼の損害を与えた際も賠償責任はありません。
しかしご近所との関係性を考えると類焼損害補償特約を付けておいた方が後々トラブルを避けられます。
現在お住まいの地域にこの先も長く住みたいとお考えの方は、火災保険に類焼損害補償特約を付帯しておくと良いでしょう。
地震保険の必要性について
基本的に地震保険は火災保険の付帯として加入します。
近年の地震災害の増加により、地震保険に加入する世帯は年々増加しており、2018年の世帯加入率は32.2%に上ります。
地震保険も火災保険と同じく、建物と家財それぞれに保険をかけることができ、火災保険の契約金額の30~50%、上限は建物の場合、5,000万円まで・家財は1,000万円までと決まっています。(2021年時点)
※日本地震再保険株式会社 WEBサイト参照
【写真あり】千葉市の火災保険申請事例の紹介!自覚症状なし築浅でも被害が!?
おすすめは家財だけの加入
築年数の古い家においても当然、地震保険は付帯した方が良いのですが、対象を「家財のみ」にしておくことをおすすめします。
その理由は、地震保険の保険金支払いは時価が基準となる上に、古い家では地震保険料の建物の免震・耐震構造による割引制度が適用になりません。
つまり保険料が高い割に、十分な補償を受けられない可能性があるのです。
ただし地震被害に遭われた時に、補償がゼロでは心もとないでしょう。
生活の再建費用が少しでもあると有難いものです。
家財や家具が新しい場合などは、支払われる保険金も高くなり、ご納得のいく補償を受けることができるかもしれません。
築年数の古い家にかける地震保険は、家財の補償を中心にしておきましょう。
家をリフォームした後の、火災保険の考え方
リフォームをされた際、建物の価値が上がることが多いため、火災保険を組みなおす必要があります。
耐震性能を向上させた場合やオール電化にした場合、太陽光発電システムを設置した場合などは保険金額が変わり、保険料が割引になるケースもあります。
リフォームをされたらまずは保険会社に見直しの相談をしてみましょう。
リフォーム後は火災保険の掛け金が上がってしまうケースが多いですが、リフォームの工事見積書や契約書を提出することで、リフォーム額に見合った保険料に設定できる可能性があります。
リフォーム前の保険の契約内容では、リフォーム部分に保険がかかっていない状態となり、災害被害に遭われた際に十分な補償を受けることは難しいため、リフォーム後は必ず火災保険を見直しましょう。
火災保険を使うのであれば、株式会社 火災保険請求相談センターへ
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火災被害に限らず、雨漏りや雪害、風災や台風など、災害が原因のあらゆる住宅被害に対応します。
調査は築5年~150年までの建物
(傾斜の無い屋根、陸屋根など一部調査対象外)
が対象で、施主さまが、自然災害による被害であると自覚できる場合、建物の築年数の新しい・古いは問いません。
「家の築年数が古いから」という理由で躊躇わず、お気軽にご相談ください。
これから台風・強風などの風災も多発する昨今、台風の被害を受けた建物を、火災保険の保険料で修繕できた実績が多数ございます。