ヘアークラックとは、コンクリートや外壁などに発生する、細かいヒビやクラックのことを指します。
この問題は、放置すると雨漏りや構造的な損傷に繋がるため、迅速に対処することが重要です。 本記事では、ヘアークラックの原因やその補修方法について詳しく解説しています。具体的には、経年劣化や施工不良、地震や台風などの自然災害が引き金となることが多いです。
また、不同沈下によっても発生することがあります。 補修方法としては、DIYでの簡単な補修から、専門業者に依頼する方法まで幅広く取り上げています。建物の安全性と耐久性を維持するために、ヘアークラックについての知識を深め、適切な対処法を学びましょう。
ヘアークラックとは?
ヘアークラックとは、コンクリートやモルタルなどの建材に生じる幅が0.3mm以下の非常に細かいひび割れのことを指します。
文字通り髪の毛のような細いクラックを指します!
この微細な亀裂は、一見して目立たないため放置されやすいですが、時間が経つにつれて広がり、構造的な問題を引き起こす原因になります。
経年的な劣化や気候の変化、施工不良などがヘアークラックの主な原因です。
また地震や台風といった自然災害の影響でも発生することがあります。具体的には、建材内部の水分の蒸発や温度差による収縮・膨張が亀裂を生じさせます。
ヘアークラックは放置はダメ?
確かにヘアークラックがあるからと言ってすぐに雨漏りを引き起こしたり、地震の際に家の倒壊の可能性があるなど緊急性が高いものではありません。
しかしヘアークラックを放置することは避けるべきです。
これらの小さなクラックは、雨水の浸入を許し、構造内部での湿気やカビの原因となります。
結果として、建物の耐久性や安全性が損なわれる可能性があります。
また、ヘアークラックが原因で大規模な補修工事が必要となる前に、早期発見と対処を行うことで、修繕費用を抑えることができます。そのため専門業者による定期的な点検もおすすめです。
ヘアークラックの原因
ヘアークラックは様々な原因で発生します。
主な原因は下記の4種類です。
詳しく解説していきますが、様々なタイミングで起こるので定期的な点検や、地震の被害のあとはセルフチェックしていくことも大切です。
経年劣化によるひび割れ
経年劣化によるひび割れは、コンクリートや外壁などの建築材料が長年の使用とともに自然に劣化する現象です。
材料が古くなると、その強度や弾力が徐々に失われ、微細なクラックが生じやすくなります。
例えば、日光や雨、風といった自然環境の影響を長期間受け続けることで、外壁の塗装やコーティングが剥がれ、その下の素地が直接的に劣化してしまうのです。
これらのひび割れは、見た目だけでなく、建物の構造的な安全性にも影響を及ぼします。
経年劣化によるひび割れを放置すると、小さなクラックが徐々に拡大し、雨水の侵入を許してしまいます。
やがて、内部の鉄筋が腐食し、さらなる構造的損傷に繋がる可能性があります。このため、定期的な点検とメンテナンスが極めて重要なのです。
地震や台風などによる揺れ
地震や台風などの自然災害による揺れは、建物に大きなストレスを与えます。
地震の振動によってコンクリートや外壁が揺れると、その動きに耐えられない部分でヘアークラックが発生することがあります。特に、建物の構造上の弱点や経年劣化が進んでいる箇所においては、こうした揺れによる影響が顕著になることが多いです。
よく地震でクラックが起こるのは震度何からなのかと聞かれることが多いですが、震度3でも起こりうる可能性が十分あります!
揺れによるヘアークラックは、放置すると徐々に広がり、雨漏りや構造的な損傷へとつながる危険性があります。そのため、定期的な点検と早期の補修が重要です。
具体的には、揺れの後に専門業者による点検を依頼し、必要に応じて早急な補修を行うことで、建物の耐久性を保つことができます。揺れによる被害を最小限に抑えるためには、耐震補強や防水対策といった事前対策も有効です。
不同沈下による影響
不同沈下は、建物の基礎が不均等に沈む現象を指します。
これは、地盤の強度や安定性が異なるために発生します。この結果として、建物全体が傾いたり、部分的に下向きに移動することになります。
不均一な地盤沈下によって、建物の構造には歪みやひび割れが生じることがあります。特に、ヘアークラックの発生源としてよく見られ、そのまま放置すると雨水の浸入やさらに深刻な構造的問題を引き起こす可能性があります。
不同沈下のチェックポイントとしては、ドアや窓の開閉が困難になる、床や壁に不自然な傾きが見られる、といった日常の違和感を挙げることができます。
これらの兆候を早期に見つけることで、適切な補修や対策を講じることが可能です。一旦不同沈下が発生すると、建物全体の安定性に影響を及ぼすため、早期の専門家による調査と対策が重要です。
施工不良による発生
施工不良が原因で発生するヘアークラックには、さまざまな要因があります。
例えば、コンクリートの打設や養生が適切に行われなかった場合、乾燥によってヒビ割れが生じることがあります。また、建物の設計段階でのミスや施工中の品質管理が不十分な場合も、クラックが発生する原因となります。
特に、打設中にコンクリートが均一に混合されなかったり、適切な強度が確保されなかったりすると、後々にヘアークラックとして現れてきます。
このような問題を防ぐためには、施工業者の選定に慎重を期し、施工管理の質を高めることが重要です。さらに、定期的な点検を行い、早期に問題を発見することも有効な対策となります。
【TEL問い合わせ7:00~20:00年中無休※タップで電話できます!】
【24時間メール対応中!年中無休!タップでお問合せフォームへ】
【種類別】クラックの種類を解説
クラックにはさまざまな種類がありますが、対処法もそれぞれ異なります。ヘアークラック、乾燥クラック、構造クラック、縁切りクラックに分類されます。それぞれのクラックごとに適した補修方法を学ぶことで、効果的に問題を解決することが可能です。以下に、各種類別の対処法を詳細に解説します。
1:ヘアークラックの場合
ヘアークラックは、主にコンクリートや外壁に見られる細かなひび割れのことです。
このようなクラックは、経年劣化や建物の揺れ、不同沈下などが原因となります。
ヘアークラックは一見して重大な損傷には見えないかもしれませんが、放置することで雨水が侵入し内部の鉄筋が錆びる原因になり、さらなる構造的なダメージを引き起こす可能性があります。早期に適切な補修を行うことで、建物の寿命を延ばし、大規模な修繕費用を避けることが可能です。
2:乾燥クラックの場合
乾燥クラックは、新築建物やリフォーム直後に発生しやすいクラックで、主に乾燥過程でコンクリートやモルタルが収縮することが原因です。
これにより、表面に細かいひび割れが形成されます。乾燥クラックは通常、構造的な問題を引き起こすことは少ないですが、美観を損ねることがあります。
対策としては、乾燥の進行を抑えるために、養生シートを使用することや定期的に水を撒くことが推奨されます。また、ひび割れの進行を防ぐために、早めの塗装やコーキングを行うことが効果的です。
3:構造クラックの場合
構造クラックは、建物の基礎や主要な構造部分に生じる深刻なクラックです。
この種類のクラックは、建物の安全性に直結するため、放置することは非常に危険です。構造クラックの原因としては、不同沈下や地震、施工不良が挙げられます。
発見した場合は、自分で修繕を試みるのではなく、速やかに専門業者に点検と補修を依頼することが重要です。専門業者は適切な補強や補修を行うことができ、建物の安全性を確保します。
4:縁切りクラックの場合
縁切りクラックは、タイルやモルタルの張り合わせ部分に発生することが多いひび割れです。
このクラックは、外装材や仕上げ材が異なる素材や施工方法の違いによって引き起こされることが一般的です。
縁切りクラックが放置されると、水の侵入が進み、建物内部に湿気やさらなる劣化を招く恐れがあります。
早期の対応が重要で、該当箇所を注意深く観察し、適切なシーリング材で補修するか、専門業者に依頼して補強工事を行うことが必要です。
ヘアークラックの補修方法
ヘアークラックの補修方法について説明します。
やり方は様々ございますが、比較的簡易的な工事になりますので金額は安価です。
補修範囲も手が届く範囲であればDIYでも修繕も十分可能です。
しかし、被害箇所を見落としたり、十分な修繕ができていないと、クラックが広がってしまうことも十分考えられるため注意が必要です。
専門店にしっかり点検してもらおう!
クラック補修自体はDIYでも可能ですが、重要なのはそれを全部見つけられているかといった点です。
ヘアークラックを放置すると、建物の耐久性や安全性に影響を与える可能性があります。専門店に依頼することで、正確な診断と適切な補修計画を立てることができます。特に、クラックが広範囲に及ぶ場合や複数の要因が重なっている場合には、専門的な知識が不可欠です。
定期的な点検を行うことで、早期に問題を発見し、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。このため、信頼できる専門店に相談することを強くお勧めします。
【TEL問い合わせ7:00~20:00年中無休※タップで電話できます!】
【24時間メール対応中!年中無休!タップでお問合せフォームへ】
業者に依頼する場合
ヘアークラックの補修を業者に依頼する場合、まずは信頼できる専門業者を選ぶことが重要です。
実績や口コミを確認し、複数の業者から見積もりを取得することで、適正価格を把握できます。見積もり時には、使用する補修材料や作業内容についても詳細に確認しましょう。施工後のアフターサポートを提供する業者を選ぶことで、再発生に対する保証も得られます。
特に大規模な修繕が必要な場合は、設計士や構造技師のアドバイスも参考にすると良いです。
自分で修繕する場合
自分でヘアークラックを修繕する際には、まず現状を正確に把握することが重要です。次に、必要な補修道具を準備しましょう。基本的なツールとして、クラックフィラー、コーキングガン、ヘラ、マスキングテープが必要です。
作業手順としては、クラックの周辺を清掃し異物を取り除いた後、クラックフィラーを充填します。仕上げにコーキングガンで均等に整え、乾燥させた後に必要ならば塗装を施し完成です。この方法で比較的簡単に修繕が可能です。
ヘアークラックを防ぐ対策
ヘアークラックを防ぐための対策を講じることは、建物の安全性と耐久性を高める重要な手段です。
ここではその具体的な対策をご紹介します。まず、定期的な点検を行うことが不可欠です。建材の劣化を早期に発見し、適切な処置を施すことで、ヘアークラックの発生を未然に防ぐことができます。
次に、建物の補強を検討しましょう。特に地震や台風などの天災による影響を受けやすい地域では、建物の強度を高めることが重要です。そして、コーキングや塗装を通じた防水対策を実施することで、雨水の侵入を防ぎ、クラックの進行を抑制できます。これらの対策を実施することで、ヘアークラックの予防に寄与します。
定期的な点検
上記の項目とかぶってはいますがヘアークラックを防ぐためには、定期的な点検が欠かせません。建物の外壁や基礎部分に小さなヒビやクラックがないかを確認し、早期に問題を発見することで、修繕費用を抑えることができます。
専門業者によるプロの点検を受けるだけでなく、自分でも年に数回は周囲をチェックする習慣を付けると良いでしょう。インスペクションカメラなどのツールを活用すると、細かい部分まで確認しやすくなります。
建物の補強
建物の補強は、長期的にヘアークラックの発生を防ぐための効果的な手段です。具体的には、耐震構造の導入や、鉄筋の追加、建物全体のバランスを整えることが含まれます。
これらの補強により、地震や強風による揺れに対しても建物がしっかりと耐えることができ、クラックの発生を最小限に抑えることができます。また、専門業者のアドバイスを受けることで、より効果的な補強策を実施できるため、定期的な点検と合わせて行うことが望ましいです。
コーキングや防水対策
ヘアークラックを防ぐためには、コーキングや防水対策が有効です。コーキングは、特に隙間の埋めることで雨水の侵入を防ぎます。防水シートや塗料を使用することで、建物全体の防水性を向上させることも重要です。
こうした対策を講じることで、ヘアークラックの発生を未然に防ぐことができ、建物の耐久性を維持することが可能です。ぜひ適切な方法でメンテナンスを行ってください。
専門業者に依頼する際の注意点
ヘアークラックの補修には専門的な知識が必要ですので、業者選びには慎重さが求められます。まず、複数の業者から見積もりを取り、価格やサービス内容を比較検討しましょう。
また、実績や口コミを確認し、信頼できる業者を選定することが重要です。さらに、施工内容や使用する材料についての詳細な説明を求め、後々のトラブルを防ぐために契約書に明記してもらうと安心です。
地震保険での補償適用について
クラックは地震保険の適用範囲です!
ですが、申請できる箇所やどんな被害が地震被害として認められるか知らなければ申請することはできません。
保険は申請主義のため保険加入者が自ら自覚して申請しなければ、どんな被害が起きても申請しなければ保険金が支払われることはありません。
そのため加入者が申請できる箇所を知っていることが大切です!
【TEL問い合わせ7:00~20:00年中無休※タップで電話できます!】
【24時間メール対応中!年中無休!タップでお問合せフォームへ】
ヘアークラックは保険でカバーされるか?
ヘアークラックも火災保険申請の対象です!
また地震保険の申請において多く聞かれるのが、震度何だったら申請可能なのかといった点ですが、その認識は間違っています。
地震保険は震度ではなく被害が起きたものに対して申請が可能なので人によっては震度4以上じゃないと地震保険は使えないといった方もいらっしゃいますが
弊社で実際に震度3で承認されている案件が何件もありますので認識を改めることが大切です!
地震保険の申請難しい?
地震保険の申請は、一般的にやや複雑な手続きを伴います。まず、被害の詳細を正確に報告することが不可欠です。
ヘアークラックのような微細な損傷も、地震による被害として認識されることがありますが、その判断は保険会社の鑑定人に依存します。具体的には、被害箇所の写真や修繕費用の見積もり、地震発生日時の記録が必須となります。
また、地震による被害と認定されるためには、建物の耐久性や安全性に重大な影響を及ぼすことを証明する必要があります。これにより、申請が却下される場合もあるため、詳細な証拠を揃えることが重要です。
さらに、地震保険には免責金額が設定されていることが多く、小規模な損傷だけでは補償が適用されない場合もあります。このため、専門業者の意見や第三者機関の鑑定が求められることもあります。地震保険の申請を成功させるためには、手続きの正確性と必要書類の準備が欠かせません。
地震被害を見つけるのが難しい
地震によるヘアークラックは外見からは判断しにくいことが多いです。
特に、建物が経年劣化している場合や、小さなひび割れが隠れている場合、専用の機器や専門家の目が必要となります。クラックの大きさや深さが重要な判断基準となり、自分で見つけるのは難しいため、専門業者に定期的に点検を依頼することが推奨されます。
鑑定人の個人差がある!?
地震保険の補償を申請する際、鑑定人の判断に個人差があることが問題となる場合があります。鑑定人は、建物の損傷を評価し保険の適用範囲を決定しますが、経験や知識、評価基準の違いにより結果が異なるケースが少なくありません。
鑑定人により真逆な判定して、個人差がありすぎることが問題になっています!
詳しくは下記の記事で解説しています。
【地震保険の申請がおりなかった】否決に納得いかない時に行うことを解説
下りなかった場合も交渉で上がるケースも
地震保険の申請が通らなかった場合でも、交渉次第で補償額が上がるケースがあります。まず、申請を拒否された場合、その理由を詳しく確認しましょう。
次に、専門の鑑定士や保険アジャスターと相談し、状況を再評価してもらうことが有効です。具体的な被害の証拠や詳細な資料を追加提出することで、再申請の際に交渉の余地が生まれやすくなります。
火災保険申請サポートに頼んでみるという選択
ヘアークラックが原因で生じた損傷は、火災保険の適用対象となる場合があります。ただし、その申請手続きは複雑であり、専門知識が必要です。火災保険申請サポートを提供する業者に依頼することで、必要な書類の準備や鑑定人とのやり取りをスムーズに進めることができます。
これにより、保険金を確実に受け取る確率が高まります。具体的な建物の被害状況を正確に伝えることで、専門家のサポートを有効に活用しましょう。
まとめ:ヘアークラックの問題は早めに対処しよう
ヘアークラックは一見すると小さな問題に見えるかもしれませんが、放置すると建物の耐久性や安全性に大きな影響を与える可能性があります。経年劣化や自然災害、施工不良など様々な原因によって発生し、適切な対処が求められます。
ヘアークラックの補修方法を知り、定期的な点検や保守を行うことは、自宅や建物の長寿命化に役立ちます。DIYでの簡易補修や、専門業者に依頼する際の正確な判断が重要です。適切な補修方法を選び、早めに対応することで大きなトラブルを防ぐことができます。
また、地震保険などの利用を検討することで、予期せぬリスクにも備えることが可能です。ヘアークラックへの早めの対処と継続的なメンテナンスは、建物の安全性を保つための最善の方法です。
【TEL問い合わせ7:00~20:00年中無休※タップで電話できます!】
【24時間メール対応中!年中無休!タップでお問合せフォームへ】
記事監修:矢島 弘子 |
---|
火災保険請求・地震保険請求アドバイス業務に従事。年間200棟の調査を13年間継続して行い、 建物調査後の損害鑑定人との立ち合いや交渉も行っている。外部の敷地内の申請はもちろん室内の汚損・破損の申請や給排水設備の申請も得意とし、 家財保険かけている方が知らないスーツのアドバイスなども行っている 埼玉県春日部市市周辺でも2022年6月3日のヒョウ被害があり 、関東圏であればどこでも無料点検はすぐにご依頼ください。 損はさせません。 |