公開日:2022年1月30日
最近はネットショッピングが発達し、何件もの店舗を回らなくても価格の比較ができるようになりました。
それは、ほしいものをできる限り安く手に入れるために行っているわけですが、住宅に関してはどうでしょうか。
【屋上 防水工事】と検索すると広告枠のところにはクリックしたくなる安価で行う文言や地域名が出てきます。
住宅の様々な工事に関しても、今はインターネットで一括見積ができるサービスが増えてきました。
しかしながら、金額がそれなりに高額になってしまうので、できれば失敗は避けたいところ。
そこで今回は、防水工事における単価について紹介していきます。
火災保険を使って資金捻出が出来るかも?お金が増えるかも。
建物診断と火災保険の活用を推進しております。
自然災害での被害を自覚されている方、過去3年以内に被害の工事を行った方はご相談ください。
火災保険金が受け取れる可能性があります。
建物を診断後、火災保険が認められない場合、お客様から費用をいただいておりません。
※一部地域は対象外の場合もございます。詳しくはお問い合わせください。
【2021年では200件以上の建物調査を行い 93%以上の確率で平均120万円の火災保険金・地震保険金】が受給できました。
※被害自覚なくても無料点検オススメします
防水工事とは何か
防水工事とは、雨水を中心とした水からの保護を目的とした工事です。
とにかく、住宅の中に水を浸入させないことを目的としている工事で、
防水性能がある材料で防水層を形成する工事が施工されます。
この防水層とは水を通さない膜のことで、この防水層をどのような素材で作るかで以下の3種類の工法に分かれています。
●塗膜防水
ウレタン樹脂やアクリル樹脂のような“液状”の防水材料を塗り重ねて防水層を作る工法で、
複雑な形状の屋根・外壁の防水工事に向いています。
●シート防水
ゴムでできたシート状の防水材を貼っていく工法で、シートがそのまま防水層となるので、
平らな屋根や外壁には向いています。複雑な形状の場所への施工には、あまり向いていません。
●複合防水
液状のアスファルトを重ね塗りしたり、アスファルトシートを並べて貼ったりした上に、
液状のアスファルトをさらに塗って強固な防水層を形成する工法で、日本では歴史の古い工法になります。
丈夫で長持ちというメリットがありますが、アスファルトを液状にする際にバーナーを使用することから、
施工できる場所が限定されるというデメリットもあります。また、施工が難しいので技術力の高い業者でなければクオリティの高い施工ができません。
この中の塗膜防水については、防水材料によっていくつかの種類に分けられます。
住宅でよく利用されるのは、「ウレタンゴム系塗膜防水」と「FRP防水」の2種類です。
●ウレタンゴム系塗膜防水
ウレタンゴム系塗膜防水とは、ウレタン樹脂を用いた防水工事のことです。
液状のウレタン樹脂と硬化剤を混合した液で防水層を作ることで、水の浸入を防ぎます。
ウレタン樹脂はマットレスでもよく活用されているほど弾力性・伸縮性が高く、
住宅の素地(特に木材)が伸縮したとしてもひび割れが起こりにくいというメリットがあります。
この施工は、液状のウレタン樹脂を数回に分けて塗って、最終的には2~3mmの防水層を形成します。
しかし、防水層自体が紫外線に弱いので、トップコートを塗って防水層を保護する仕上げを行います。
3~5年ごとにトップコートの塗り替えが必要になりますが、ウレタン樹脂の防水層自体は10年程度持つのが一般的です。
●FRP防水
FRPとは「Fiber-Reinforced Plastics(繊維強化プラスチック)」の略称で、
プラスチックの防水層を形成する防水工事のことをFRP防水と呼んでいます。
ガラス繊維を編んで作ったシートの上に、
不飽和ポリエステル樹脂と硬化剤を混合した液を塗って防水層を作っていくのですが、船やプールなどでよく利用されています。
硬くて丈夫な防水層である一方、
伸縮性がないことから住宅の素地の伸縮によってひび割れが起きてしまうリスクが高い工法となっています。
防水層は硬いプラスチック材になりますが、プラスチックの特徴として、紫外線を浴び続けると劣化してしまいます。
そのため、ウレタンゴム系塗膜防水と同様にトップコートで保護することで耐用年数を伸ばします。
5年ごとにトップコートの塗り替えを行うことで、防水層自体は10~12年程度持つのが一般的です。
関連記事:【陸屋根】の防水工事は火災保険が使えないのか?徹底解説!
なぜ防水工事をしなければならないのか
そもそも住宅の防水工事を行うのはなぜなのでしょうか。
それは、住宅にとって水は“天敵”ともいえる存在だからです。
水は、住宅自体に被害をもたらすだけでなく、住宅に住む人の健康への被害に影響が出ることもある厄介者です。
住宅というものは、
建物の骨組みにあたる「構造」と、 屋根や壁にあたる「外装材」、 電気設備や水周りなので「住宅設備」などで構成されているのですが、 それぞれの部材のコンクリート・モルタル・木材などがむき出しの状態では、 紫外線や風雨などの自然環境によりどんどん劣化していきます。 |
部材が劣化すると防水機能も低下してしまうので、
定期的にメンテナンスを行っていない住宅では建物内部へどんどん水が浸入してしまいます。
そのため、湿度と含水率が上がりカビやシロアリが繁殖しやすい環境となり、住宅や健康への被害が出てしまうというわけです。
住宅が少し傷むだけであれば、簡単な修理で治るかもしれません。
しかし、雨漏りが起こるレベルまで被害が拡大してしまった場合は大変です。
単なる修理ではなく、部材の交換や基礎自体の工事をしなければならなくなるリスクもありますし、
対処が遅れると劣化はどんどん進み、健康被害につながってしまいます。
このような被害の拡大を防ぐために、住宅内に水が浸入しないように防水工事をしっかりと行う必要があります。
防水工事の価格について
このように、住宅と住民に被害が及ばないように防水工事を行う必要がありますが、
この工事の価格はどのように決まるのでしょうか。
専門性の高い分野なので、業者のいいなりのままに契約してしまうと損をしてしまう可能性もあります。
そのため、料金に何が含まれているかを理解した上で業者に見積を出してもらうことが大切です。
防水工事費に含まれる要素
防水工事の費用は、大きく4つの要素で決定しています。
① 下地の処理
防水工事を行う前には、下地を処理する必要があります。
水が溜まりやすい場所なのか、凹凸や傾斜があるのかなどチェックし、
工事を行う前にどのような処理をしなければいけないかを決定します。
② 防水の工法
防水工事自体は、工法によって費用が変わってきます。
上述の通り、どの工法もメリット・デメリットがありますので、
業者と相談しながらどの工法を採用するか決めていきましょう。
もし、適切ではない工事を選んでしまうと再工事となり余計な費用がかさんでしまいます。
③ 材料費
塗膜防水であれば塗膜、シート防水であればシートの費用です。
この材料をケチって安く済ませてしまうと、すぐにひび割れを起こしたり剥がれたりしてしまいますので、注意が必要です。
逆に厚過ぎる材料を使っても費用がかさんでしまうので、適切な材料を業者と相談して決めていきましょう。
④ 人件費
防水工事を行うのは職人ですので、当然ながら人件費がかかります。
工期が長くなればその分人件費も上乗せされますので、どのような防水工事を行うのかによって人件費は大きく変わってきます。
このような経費が防水工事にはかかるわけですが、使用する素材の価格や業者ごとの人件費の設定などで、
防水工事の予算は大きく変わってしまいます。そのため、以下に示す防水工事の単価は、あくまで「目安」としての参考価格とお考え下さい。
●ウレタン防水…75万円~
●シート防水…80万円~
●FRP防水…90万円~
●アスファルト防水…80万円~
※いずれも100平方メートルの施工の場合を想定
防水工事が高額になる理由
防水工事と塗装工事は似て非なるものです。
塗膜防水に関しては同じ“塗る”という作業ですので、塗装業者でも代わりにできるのでは?と思うかもしれませんが、
使う材料も工法も目的も違うため、プロフェッショナルな工事はできません。
「餅は餅屋」といいますが、防水工事は防水専門業者に、塗装は塗装専門業者に任せるべきです。
とはいえ、防水工事はかなり高い費用がかかるというイメージがあるかもしれませんが、これには理由があります。
関係しているのは、「材料費」と「人件費」です。
この2つに関していうと、それなりにコストがかかっても仕方がない事情があるのです。
なぜ、塗装よりも塗膜防水工事が高いのか。まず押さえておきたいのは、
防水工事は少し塗料を塗ればそれで終わりではないということです。特に雨漏りが起こっている場合ですと、もともとの防水膜は使い物にならない状態になっていることが想定されます。
そのため、住宅全体の防水膜を作る必要がありますし、そのためには工期もかかります。
単純に、材料も増え人件費も増えるわけですから、高額になっても仕方ないのです。
これが、定期的にメンテナンスを行っていれば、少しの工事で終わるかもしれません。
そう考えると、定期的なチェックがいかに大切かわかるかと思います
また、防水工事を始める前には下地処理が必要です。
雨漏りが起こっていない場合は不要ですが、
雨漏りが起こっている場合には雨水を吸収する専用シートを使って、修理をする箇所の雨水を取り除かなければなりません。
その後にようやく防水工事の作業に入ることになるので、余計な工程がひとつ追加されることになります。
このような追加処理により、材料費・人件費はまた増えてしまいます。
そして、塗膜防水工事では同じ場所に3回塗料を塗ることになります。とはいえ、これで工事が終わりではなく、
ウレタン防水1層目・ウレタン防水2層目・トップコートの後に、改修用ドレン設置や笠木の防水処理などが発生します。
塗装工事と比較すると、とにかく工程が多いのが防水工事なのです。
そのため、防水工事と塗装工事はまったくの別物ですし、塗装業者が防水工事を行えないのも納得していただけると思います。
ちなみに、防水工事の際には足場を組む必要もあります。
この足場代も数十万円かかりますので、その分も加算されます。
このように考えると、防水工事の費用が高くなるのも仕方ないと思えるのではないしょうか。
通常よりも工事費用が上がるケースがある
また、もともとコストがかかる防水工事の価格がさらに上がってしまうケースも存在します。
それは、屋上に配線など多い場合、住宅が建っている地形が複雑な場合、
すでにひどい雨漏りが起こっている場合、平米が極端に少ない場合などです。
また、業者の繁忙期になると急ぎの工事ができない上に人件費がアップしているタイミングですので、
さらに高額になってしまう可能性があります。
そのため、依頼主側で防水工事前にできることとして、
「雨漏りする前に定期的なメンテナンスを行う」「屋上のものは片づけておく」「ベランダや外壁塗装などをまとめて依頼する」
ことなどが挙げられます。
そして、もうひとつ注意が必要なのが「中間マージン」の存在です。
管理会社やリフォーム店、塗装業者などは防水専門の職人を抱えていません
。これらの業者を介して防水専門業者に依頼する形になるので、中間マージンが発生してしまいます。
一級建築士を筆頭に住宅に関する資格はたくさんありますが、
建築や塗装の専門資格を持っているからといって、防水に関しても完璧な知識を持っているかというとそれは疑問符がつきます。
医者で例えるなら、外科医に歯科医が行う手術ができるのかというようなイメージでしょうか。
そう考えると、防水専門業者に直接依頼することが一番の近道になります。
このような観点から、建築関係の知り合いに相談しても、
防水を専門にしている人でない限り適切な答えを得られない可能性は高いです。
参考程度にするのは構いませんが、過度に信用すると痛い目に遭ってしまうかもしれません。
防水は住宅・住民のために必ずしなければならない工事
このように、防水工事は施工箇所にあった防水の工法で行うことで初めて意味があります。
しかも、防水専門業者が施工しなければ、のちのちのトラブルにつながるリスクが高くなってしまいます。
せっかく高額の費用をかけたのに、何の防水効果も得られなければ意味がありません。
塗装業者の中には、防水工事の実績がないにも関わらず「塗装工事という名の防水工事」を施工している会社もあるようですが、
これは売り上げを優先しているあまり良い業者とはいえません。
「塗装」と「防水」の違いを理解して、防水の専門業者に工事を依頼することが、
防水工事を成功に導くポイントです。また、工事を依頼する時には複数社に見積をお願いする
「相見積」をとってその工事の相場観をつかむことが大切です。
例えば、3社のうち明らかに高い(もしくは安い)見積を出してきた業者は危険信号です。残りの2つの業者に絞って、交渉を進めていきましょう。
記事監修:矢島 弘子 |
---|
火災保険請求・地震保険請求アドバイス業務に従事。年間200棟の調査を13年間継続して行い、 建物調査後の損害鑑定人との立ち合いや交渉も行っている。 外部の敷地内の申請はもちろん室内の汚損・破損の申請や給排水設備の申請も得意とし、 家財保険かけている方が知らないスーツのアドバイスなども行っている 宮崎県宮崎市でも2022年1月22日の地震被害はあり、問い合わせが増加しております!! 損はさせません。 |