皆さんは「ダメ込み」という言葉を聞いたことがありますか?この言葉は塗装業界では一般的なものですが、あまり馴染みがないかもしれません。塗装というと高額な工事費がかかるというイメージがあるかもしれませんが、実は塗装の工事費を抑える方法があります。それが、火災保険の活用です。
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ダメ込みとは何か
ダメ込みとは、外壁・屋根の塗装において、細かい部分を刷毛で塗ることを意味します。一方、ダメ込みをしない面積の広い部分はローラーで塗装することが多くなります。
この「ダメ込み」という言葉の由来ですが、ダメ(仕事のやり直し)が出ないように塗り込むことから来ているといわれています。
例えば、塗装が薄くて透けていたり、余計な塗料が垂れていたり、はみ出していたりといった「ダメ出し」をされないようにきちんとした仕事をするという思いが込められているのかもしれません。
ダメ込みのパターン
では、ダメ込みの作業にはどのようなものがあるのでしょうか。
- ローラーで塗る前に細かいところを先に刷毛で塗る
外壁や屋根などはそのほとんどが広い場所なのでローラーを使用することが多いですが、最初に細かいところを刷毛で塗ることがあります。実は、このように作業を分けた方が効率良く塗装を素早く終わらせることができます。
一般的にはこの作業をダメ込みと呼んでいます。サッシ廻りとテープの境目や外壁の入り隅などをダメ込みしてから、ローラーを使用するといった具合です。
- ローラーで塗る前に凹みを先に刷毛で塗る
ALC外壁(Autoclaved Lightweight aerated Concrete=高温高圧蒸気養生した軽量気泡コンクリート)やサイディングの中には、凹んでいる部分が1cm以上ある外壁も存在します。このような大きなくぼみがある外壁の場合、ローラーできれいに塗装することができません。この場合は、刷毛を使ってくぼみの中も丁寧に塗装していきます。
くぼみの量によっては、ダメ込みをする職人とローラーで塗装する職人を分けて作業を行うこともあります。ちなみに5mm以下のくぼみの外壁の場合は、ローラーの身で作業を行うことが多いようです。
- 色分け部分で境界を作る
外壁の塗装をする際には、各箇所の境界になる部分が必ず出てきます。塗装と塗装で境界を作る時には、先に片方にダメ込みをして塗り込んでおいてから、もう一方を後でダメ込みするという手法で塗装します。
ケースの塗装で多いのは、軒裏と外壁の境界です。軒裏と外壁は色と素材が同じ場合・違う場合の2パターンがあるのですが、違う場合は以下のようなダメ込みを行います。
まずは軒裏部分から外壁に被せるように塗り、軒裏が乾いてからマスキングテープを貼って外壁のダメ込みを行います。軒裏の素材がテープの貼れない仕上げの場合は、外壁のダメ込みを先にしてフリーハンドで軒裏のダメ込みを行うという手法を採ることもあります。かなり細かい作業になりますが、綺麗に仕上げるためには必要な作業なのです。
- タイルなど見切りの部分
最近の住宅の外壁には、タイルをアクセントで貼ることも多いのですが、タイルは塗装をしないため塗料が付着しないようにしなければなりません。しかし、タイルは表面がツルツルしているので、養生ができないケースもあります。このような時は、タイルと外壁の見切りの部分でダメ込みを行います。
タイルに塗料が付着しないように、ガイドとしてガムテープでタイルを養生し、硬めの刷毛で外壁のくぼみの中に塗料を塗りこんでいきます。この時、ガムテープに塗料が付着しないように気を付けることが大切で、塗料が入り込んでしまうとタイルが汚れてしまいます。そして仕上げに細い刷毛でダメ込みを行います。
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火災保険金の支払い実績
このようにダメ込みという細かい作業も行う塗装工事は、足場代・塗料代・人件費を総合すると100万円単位の工事費になることもあります。しかし、この塗装工事を自己負担ゼロで行える可能性がないわけではありません。それが火災保険の活用です。
火災保険は、火事による被害以外にも強風・大雨・雪・雹などの自然災害による住宅の被害を補償してくれる保険です。地震・噴火・津波については地震保険が補償するものになりますが、昨今の台風やゲリラ豪雨の頻発具合を考慮すると、火災保険は強力な味方になってくれることでしょう。
火災保険の補償内容と補償範囲を知る
ここで改めて、火災保険の補償内容と補償範囲を確認しておきましょう。火災保険は別名を「住まいの保険」という総合的な損害保険です。火災のほか自然災害(地震・噴火・津波を除く)により建物・家財が被害を受けた時に補償してくれます。
ここでポイントになるのが、自然災害の部分です。火災保険という名前から、自然災害による被害が火災保険の補償内容に含まれていることはあまり知られていませんし、保険会社も積極的にPRしていません。では、具体的に火災保険ではどのようなケースをフォローしてくれるのでしょうか。
- 火災
自宅における失火や第三者に起因するもらい火による火災の被害を補償してくれます。地震や噴火による火災は、火災保険の補償対象には含まれていないので注意しましょう。
- 落雷
落雷による被害を補償してくれます。よくあるのは、雷が落ちて家電製品がショートしてしまった時も対象となります
- 破裂・爆発
ガスの引火による破裂や爆発による被害を補償してくれます。漏れたガスに引火して爆発を起こした時などが対象となります。
- 風災・雹災・雪災
風・雹・雪などによる被害を補償してくれます。台風や大雪などで窓ガラスが割れたり、屋根が飛んだりした時などが補償対象となります。
- 水濡れ
漏水などの水濡れの被害を補償してくれます。給排水設備が故障して部屋が水浸しになった時は、火災保険の補償の対象となります。
- 水災
台風や集中豪雨による被害を補償してくれます。2018年は西日本を中心に水災が多く発生しました。
- 盗難・騒擾・集団行為等にともなう暴力行為
自然災害とは直接的に関係のないものも火災保険の対象となります。それが、盗難や騒擾・集団行為による被害です。盗難によって発生した損傷・汚損による被害を補償してくれます。これは泥棒が鍵や窓を壊した時や家財が盗まれた時の補償となりますまた、騒擾(労働争議やデモ行進など)や集団行為による暴力・破壊行為の被害を補償してくれます。
- 建物外部からの物体の落下・飛来・衝突
建物外部から物体が落ちたり飛んできたりした時の被害を補償してくれます。
このように、火災保険は保険会社や商品によって違いこそありますが、幅広く日常生活における被害を補償してくれます。火災保険の契約時に基本的な補償以外にもオプションをつけている可能性があるので、一度保険証書を確認してみましょう。ひょっとしたら、火災保険の補償の対象となっているものの工事をすでに済ませてしまっているかもしれません。
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工事をした後でも火災保険の申請は可能?
火災保険も含めて、保険の請求期限については保険法第95条において「保険給付を請求する権利、保険料の返還を請求する権利及び第63条又は第92条に規定する保険料積立金の払戻しを請求する権利は、3年間行わないときは、時効によって消滅する」と定められています。
このように、火災保険の請求権は原則的に3年で時効を迎えますので、損害を受けてから3年以上が経過した場合は請求ができません。例えば、2019年1月1日の被害については、2021年12月31日までに請求する必要があります。しかし、この保険法とは別に各保険会社がそれぞれの請求期限を決めているケースもあります。
火災保険の性質上、被害状況からその補償額を割り出す保険においては、被害を受けた時から時間が経過すると因果関係を説明することはどんどん困難にはなります。ということは、保険金がおりる可能性も低くなりますが、全く可能性がないわけではありません。
外壁や屋根の塗装に火災保険が使えることを知らずに、すでに工事をしてしまったという場合は諦めるしかない…それは早まった考え方です。実は、工事をしてしまった後でも火災保険の申請をすることは可能です。一度支払った工事代、しかもかなりの高額のお金が戻ってくるのですから、火災保険を利用しない手はありません。
ただし、申請するためには屋根が風災など自然災害によって破損してしまったこと、それに対し工事が行われたということを証明するために、以下の書類を揃える必要があります。
- 工事前の被災した箇所の写真
- 工事後の被災した箇所の写真
- 工事代金の見積書と領収書
当然のことですが火災保険が適用されるのは、あくまで自然災害による被害だけで、経年劣化のものは含まれません。自然災害による被害で塗装工事をしたことがある人は、工事をした後でも火災保険を活用して工事費を取り戻すことをおすすめします。ただし、虚偽の申告だけは絶対にしないでください。
緊急性が高い場合は先に工事を
このように、外壁塗装の工事後でも火災保険の申請は可能ですので、台風や大雨で塗装が剥がれた時に、あまりに美観を損ねている場合のような緊急性が高い場合は、先に塗装工事を行ってしまったからその後に火災保険の申請をするという方法もあります。
ただし、先行して工事をした場合は、申請しても保険金が下りないというリスクが高くなりますので、ある程度のリスクは覚悟しておきましょう。それほどひどい状況でなければ、できるだけ火災保険の申請を先に行い、保険会社の認定が下りてから塗装工事をするのが良いでしょう。
また、すでに塗装工事をしてしまったという場合でも、手数料はかかりますが保険会社への申請書類作成代行会社に依頼することはできますので、プロフェショナルに代行してもらうというのも一つの方法でしょう。
火災保険請求相談センターでは敷地内すべてを点検します
このように、火災保険は自然災害による被害も補償してくれます。時効は3年となっているので、専門家が調査すると火災保険を適用して修理を行えるかもしれません。ちょっとでも心当たりがある時は、火災保険による修理を受けられるかどうかを確認するためにも、火災保険請求相談センターに相談してみてはいかがでしょうか。
住宅というものは、日常的にチェックすることが少ないものです。そのため、少しずつ破損・劣化が進んでいたとしてもなかなか気づきません。いつの間にか腐食が進み、住宅の中の基礎にまで被害が及び取り返しのつかないことになっていたというケースもないわけではありません。
早めに修理すべき箇所を見つけるだけでなく、火災保険が適用になる無料の工事を行えるのであれば、依頼主にとってもメリットしかありません。ただし、破損・劣化がひどくなり、経年劣化によるものと判断された場合は火災保険が適用されないことは覚えておきましょう。
自然災害による被害については、書類が揃っていれば認定される可能性が高いので、ぜひ火災保険を活用して無料で工事を行いましょう。
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記事監修:矢島 弘子 |
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火災保険請求・地震保険請求アドバイス業務に従事。年間200棟の調査を13年間継続して行い、建物調査後の損害鑑定人との立ち合いや交渉も行っている。 外部の敷地内の申請はもちろん室内の汚損・破損の申請や給排水設備の申請も得意とし、 家財保険かけている方が知らないスーツのアドバイスなども行っている 茨城県つくば市周辺でも2021年10月7日の地震被害はあり、関東圏であればどこでも無料点検はすぐにご依頼ください。 損はさせません。 |