2022年2月10日 公開
ブルーシートは、ホームセンターなどで販売されている、ポリエチレンなどの合成樹脂製のシートのことです。製品の多くが青色で染められているので、ブルーシートという呼び名が一般的ですが、和製英語なので海外では「タープ(tarp)」といわなければ通じません。
このブルーシート、住宅に被害が出たときの応急処置で大活躍するものですが、どのように使用するのが良いのでしょうか。
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ブルーシートの概要
日本においては、ブルーシートはもともと建築・土木工事の現場で使用されていました。工事現場の周囲を覆い、ちりや埃の飛散を防止したり、乾燥中のコンクリートが雨や風によって変形しないようにしたりするため、そして建築中やリフォームなどでまだ防水設備に不備があったりする場合などに使用し、建物内を守ることが主な元区的となっています。
サイズはメートル法の単位ではなく、一間(約1.8m)もしくは半間(約0.9m)単位で規格されている製品が多くなっています。
素材は、ポリエステル系統の合成繊維を合成樹脂製フィルムで挟んでいるもので、引っ張られる力に強いため裂け難いというメリットがあります。一般的に販売されているブルーシートは、各辺に補強が入っていて、製品によっては四隅に金属製の補強が入った穴である「鳩目」があるものもあります。
この鳩目に紐や金属棒を通して固定することもできます。このようにさまざまな使い方がされるものなので、不透水性・耐候性が高く、折り畳めば軽くて場所を取らないという機能が必要になってきます。結果、技術の向上が進み、安価で丈夫なブルーシートができあがりました。
そして、このような特徴を持っていることから、工事以外にもアウトドアキャンプや花見などで地面に座るためのござの代用品としても活用されるようになりました。また、安価で耐候性が高いことから、大きな災害が発生したときには仮設住居の材料としても重宝されています。
しかし、熱には弱いのが欠点で、「防炎シート」と明記されていないものは耐火性がないことを覚えておきましょう。
日本におけるブルーシートの歴史
日本におけるブルーシートの大手メーカーとしては、萩原工業が有名です。萩原工業は1964年にポリエチレン・フラットヤーンの防水加工を開発し、翌1965年に「万能シート」として発売を開始しました。
実は当時はオレンジ色の「オレンジシート」が主流でしたが、1970年代半ばに「オレンジ色の顔料には有害物質が含まれている可能性が高い」という噂が流布したため、ブルーシートへの変更の流れができ今に至っています。青が採用された理由としては、空や海など自然にある色に近いという説や、青色の顔料が一番安価だったという説、青が一番爽やかに感じるからという説などがあります。
ホームセンターなどで販売されている汎用品は、運搬のしやすさを考慮して薄手・軽量の仕様で作られているものが多いのですが、工事用のシートは数年間の使用に耐えられるように耐紫外線加工を施したものや厚手にしたものなども存在します。
また、ブルーシートよりも一段階上位にある機能性シートとの境界にあるような製品の場合、難燃剤を添加して防火機能を持たせたものや、風が通り抜けるようなスリットを加えたもの、遮光性を高めて断熱性を持たせる金属フィルムをラミネート加工したものなど、多彩な機能を持ったシートも存在します。一般で使用する分には、汎用品の機能で十分だと思われます。
ブルーシートの種類
では、ブルーシートとしてはどのような種類があるのでしょうか。ブルーシートは厚みによって分かれていて、それぞれ用途が違います。以下に紹介する表記は、ブルーシートのラベルなどに記載されているものですが、数字はグラム単位での重さで表されます。
・#1000(1000g)
・#2000(2000g)
・#3000(3000g)
・#4000(4000g)
標準的なブルーシートのサイズは2間(3.6m)×3間(5.4m)で約12畳となっています。このサイズで、1000gから4000gまでの重さの開きがあるのですが、シートの厚みによって重さがここまで変わってきます。
全く同じ性能であれば薄くて軽い方がいいですが、ブルーシートの耐久性は厚さに比例しているといっても過言ではなく、厚いシートほど耐久性が高くなります。
ホームセンターなどでブルーシートを購入する際は、価格が安いからといって、一番薄手の「#1000」のブルーシートを購入しても、使用用途によってはすぐに使い物になってしまう可能性があります。
例えば、雨漏りが発生したときに住居の内部を守る場合、数日で工事ができるのであれば「#1000」でも大丈夫ですが、台風による被害の場合は多くの住宅が被害を受けるため、工事が先延ばしにされる可能性があります。
その場合、工事日までの期間によっては「#1000」では耐え切れない場合もあります。特に、屋根の上にブルーシートを設置する場合は、地上よりも風の影響を強く受けますし、紫外線の影響も大きくなるため、応急処置であっても「#3000」以上のブルーシートを使用することをおすすめします。
ブルーシート購入時に鳩目があるか確認
ブルーシートは厚みによっていくつかの種類がありますが、「#1000」は災害時や工場などではほとんど使用されないため、鳩目がついていないものもあります。鳩目がなければロープや金属棒でブルーシートを固定できないので、購入時に鳩目があるかどうかを確認しましょう。
また、一般的なブルーシートよりもコスト的には高くなりますが、紫外線による劣化を防止する紫外線耐候剤入りのUVカットブルーシートもありますので、工事まで数か月もある場合はこのような機能が充実したブルーシートを活用しましょう。
このシート一般的なブルーシートと同じポリエチレンなどの合成樹脂でできていますが、トイレットペーパーのようにロール状になっていて、比較的薄手のため耐久性はそれほど高くありません。そのため、養生用のシートとしてほかのブルーシートと併用するのが良いでしょう。
屋根工事におけるブルーシートの使い方
ブルーシートはさまざまな用途で使用されますが、応急処置で最も使用頻度が高いと思われるのが、雨漏りしている場所を養生するという方法でしょう。雨水が入らないように、雨漏りが起きているで可能性のある浸入口をブルーシートで覆い、雨漏りの被害拡大を防ぎ、日常生活に支障が出ないようにします。
雨漏りが起こると、住宅の内部は通常濡れることがないため、木材が水分を吸収することで腐食してしまったり、鉄骨の錆がひどくなってしまったりといったリスクが高くなります。結果的に、住宅全体の耐久性を低下させてしまう恐ろしいものなので、雨漏りから住宅を守ることは大切なことです。
雨漏りの被害が長くなればなるほど、住宅の耐久性はどんどん下がってしまいます。すぐに工事をすれば雨漏りをしている箇所だけの工事で済んだものでも、時間の経過により被害が拡大し、天井や壁に染みができたり、床に雨水が浸食したりしてしまうと、工事すべき箇所がどんどん増え、大掛かりな工事になってしまいます。
電源設備のトラブルにつながることもあり、家電製品の漏電や火災が発生するといったケースも報告されています。そのため、雨漏りが起こったときはすぐに工事をすることが大切なのですが、工事日までにブルーシートで養生することも被害拡大を防ぐ大きなポイントになります。
そして、雨漏りの後に気を付ける必要があるのがシロアリの存在です。シロアリは湿った木材を大好物にしているので、雨漏りの後に被害が出やすいのです。シロアリは人目に触れない場所で活動しているので、ある程度被害が進んでから気づくということも多いので、雨漏りの専門会社にシロアリの状況もチェックしてもらうようにしましょう。
ブルーシートを使った屋根の応急処置
雨漏りの応急処置の方法はいろいろあり、屋根の形状や被害の範囲などによって変わります。
●棟板金の応急処置
台風による屋根の被害で多いのが、棟板金が飛散してしまうという被害です。棟板金は、スレートや金属屋根材の屋根の面と面が交わる箇所にある板金のことで、釘などで固定されていますが、経年劣化により浮き上がることが上がります。浮き上がったところに台風が来ると、釘が外れてしまうことが多く、棟板金が飛散してしまうというわけです。このような場合は、比較的範囲が限定されることから、ブルーシートを適切なサイズに切って養生テープでテーピングして固定します。
●屋根材の一部破損の応急処置
瓦やスレートの一部だけが剥がれたり割れたりしている場合も、棟板金の応急措置と同様に、ブルーシートをカットしてテープで固定する方法になります。固定できない屋根の破片は、地上に下ろしておきます。
●養生する範囲が広い場合の応急処置
範囲が広い場合は、ブルーシートをかけてから土嚢で固定したり、鳩目に紐を括り付けてバルコニーの手すりやフェンスなど固定したりして、ブルーシートが飛ばないようにします。養生する範囲が広いということは、風の影響も大きく受けてしまうので、弛みがないようにしっかりと固定します。また、時間が経過するとブルーシートや紐が伸びてしまうので、弛みを感じたときは再調整をしましょう。
応急処置に必要な資材
応急処置に必要なのはブルーシートのほか、ブルーシートを養生する場所に使う養生テープ、ブルーシートを固定するための紐やロープ、ブルーシートやテープ・紐などを切断するためのカッターやハサミ、場合によっては重しのための土嚢袋・砂利などが必要になります。
もちろん、状況によって上記の資材のすべてが必要になるわけではありません。ブルーシートを固定するために、土嚢のかわりに重みのある角材などを使って代用することもできます。ブルーシートでの養生が長期間に渡ると想定される場合は、ブルーシート以外の資材についても、耐候性・耐水性が求められますので、ホームセンターで製品の性能を確認して購入するようにしましょう。
もし、適切な資材を選んでいない場合は、すぐに機能が落ちて応急処置の役目を果たせない可能性があるので注意が必要です。
応急処置時の注意点
ブルーシートを使っての応急処置は、できれば屋根工事の専門会社に依頼することをおすすめします。というのも、高所に上がって作業することもあるので、危険が伴うからです。しかし、どうしても自分で行う場合は、以下の注意点を守って作業しましょう。
●服装
夏場は暑いと思われるかもしれませんが、けがの防止のためにも長袖・長ズボンで臨みましょう。屋根の上は勾配があるので、滑りやすく、転倒のリスクもあります。そのため、靴も滑りにくいものを履きましょう。
●作業人数
絶対に1人での作業は避けましょう。というのも、はしごや脚立を使って屋根を上る際は、はずれないように誰かに抑えてもらう必要があります。そして、何かトラブルがあったときに、複数で作業していればすぐに救助を呼べます。
●天候
作業は晴れた日に行います。雨が降ると、滑りやすい屋根がもっと危険な状態になってしまいます。雨が降っているときは、止んでから作業を行いましょう。
●はしごや脚立をかける場所
ぬかるんでいる地面にはしごや脚立を立てるのは避けましょう。また、はしご・脚立をかけるときには、雨樋の金具などにひもで固定しましょう。ちなみに、はしごの理想的な角度は75度といわれていて、この角度より小さすぎたり大きすぎたりするとはしごが倒れる危険性が高まります。
ここまで紹介したのは、あくまで応急処置です。屋根のような高所での作業は大変危険ですので、必ず専門業者にお願いしましょう。ブルーシートを使うような応急処置が必要になるのは、自然災害による被害である可能性が高いので、火災保険を活用できる可能性があります。そのため、火災保険の活用に慣れた火災保険請求相談センターにご相談ください!!
同サービスであれば、チェック・見積は無料で行いますし、火災保険の活用に慣れた施工会社の斡旋も行っています。そして、住宅・敷地全体をくまなくチェックすることで、火災保険を活用した工事ができそうな箇所を探し出します。
火災保険は「住宅の総合保険」と呼ばれる、自然災害による被害の工事費用を補償してくれる保険ですので、有効活用したいところです。応急処置が必要な被害が出たときには、火災保険請求相談センターにご連絡下さい!!
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