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免震装置は、いったいどんな仕組みになっているのか解説!一軒家でも免震装置は付けられのか?

免震装置は、いったいどんな仕組みになっているのか解説!一軒家でも免震装置は付けられのか

地震対策には“耐震”“制震”“免震”の3種類があります。地震が来たときに、建物の強さで持ちこたえようとするのが“耐震”なら、揺れをダンパーなどで吸収させようとするのは“制震”、揺れても建物がグラグラしないように工夫するのが“免震”というわけです。

その中でも、新しい画期的な地震対策として話題を呼んでいるのが、免震構造です。

免震構造とは、建物と地面の間に免震装置を取り付けて、揺れる地面から建物を絶縁することで、建物に振動を与えない構造のことをいいます。

では、そんな画期的な免震装置とは、いったいどのような仕組みになっているのでしょうか?既存のマンションや一軒家でも、免震装置を取り付けることはできるのでしょうか?そのあたりについて、お話ししたいと思います。

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地震の揺れを減らすために、耐震や制震に代わって誕生したのが“免震構造”

クラックスケールでの地震調査

50年以上前に建てられた日本最初の超高層ビル「霞が関ビル」は、“耐震構造”で建てられています。そこを皮切りに昭和の日本では「耐震構造」の高層ビルやマンションが数多く建てられています。

そこに、地震の揺れを吸収するという画期的な制震ダンパーを採用した「制震構造」のマンションが登場し、一躍注目を浴びました。制震構造は地震の揺れを小さく抑え、風揺れにも効果を発揮しましたが、技術の進化はまさに日進月歩。

地震技術がそこで満足してしまうことはありませんでした。

さまざまな研究が重ねられ、ついに地震の揺れに対して非常に高い効果を発揮する「免震構造」が登場したのです。免震構造で建てられたマンションは、「震度5の地震がきても、棚から物ひとつ落ちない」という事例が紹介されるほど、素晴らしい効果を発揮しました。

マンションの耐震化は、免震構造のマンションが登場したことによって、新たな幕開けを迎えたと言っても過言ではないでしょう。

建物と地面の間に免震装置を設置し、建物を地面から絶縁する

免震構造のすごさは、2011年3月11日に発生した東日本大震災でも実証されました。その代表的な存在となったのが、「世界最大級の地震に耐えた初めての免震建築」として日本免震構造協会からも表彰された、石巻赤十字病院です。

石巻赤十字病院の建物と地面の間には、126基の免震装置が取り付けられています。

1000年に一度と言われる東日本大震災に遭っても建物は壊れることなく、災害医療活動の拠点として活躍し、話題を呼びました。いかに免震構造がすごいかが、実証された出来事でした。

また仙台市や東京都の免震構造のビルも、地震の揺れを最大で3分の1に抑えることができ、免震構造が広範囲の地域に達する長周期の揺れにも対応できることがわかりました。

非常に優れた耐震対策でありながら、実は免震マンションはあまり増えていない

RC構造物件

RC構造物件

このように、非常に優れた耐震対策として注目を浴びる免震構造ですが、実は免震構造が開発されてから今まで、免震マンションはあまり増えていません。

その一番の理由はコストです。来るか来ないかわからない地震のために免震構造を採用して、値段を吊り上げるよりは、コストのかからない制震構造で安く販売した方が売りやすいし、建物所有者の方々も選択してしまうという事情もあるのでしょう。

ただし仙台圏に限っては、震災後の2012年に建てた分譲マンションの7割近くが、免震マンションだったそうです。たとえば2013年に建てられた「ライオンズ仙台レジデンス」は、1階と2階の間に免震装置を設置した、揺れの遊びが少ない中間階免震構法を採用し、全108戸が即日完売となりました。

「本当に日本には地震が来るのだ」ということを知っている人は、高くても安心して暮らせる住まいを選択するということなのです。

すでに建っているマンションにも、免震装置は付けられる?

ここで気になるのが、すでに建っているマンションにも、免震装置が付けられるのかということです。実は残念ながら、建った後の建物に免震装置を付けることは難しいのが現実です。

今後免震リフォームの技術が進めば、それが可能になる時代もやってくるかもしれません。

しかし、免震は無理でも、制震や耐震のリフォームを行うことは可能です。マンションの耐震対策を検討している場合は、制震ダンパーの取り付けや耐震補強を検討することで、かなり耐震性能を上げることができるでしょう。

一軒家にとって、免震対策はまったく縁がないもの?

千葉 戸建て

免震というと超高層ビルやタワーマンションのイメージがあるので、「一軒家には関係ないだろう」と思っている人もいるかもしれません。実はそうではなく、一戸建てにも免震住宅は存在します。たとえば注文住宅の一条工務店では、独自の「ハイブリッド免震構法」を採用しています。
どういう仕組みかというと、免震マンションと同じように地面と建物の間に積層ゴムを設置し、スライダーによって建物を自由な方向に滑らせることで、地震のエネルギーを減衰させる方法です。ほかにもいくつかのハウスメーカーで、免震構法を採用しています。

一戸建ての免震費用はけっして安くはなく、1棟あたり200~300万円程度です。制震ダンパーが50万円程度であることを考えると、かなりコストがかかりますね。

そしてまた残念なことに、免震装置は新築時に設置することはできても、すでに建っている住宅に後付けすることはできません。すでに建っている住宅の耐震性能を高めるには、耐震補強や制震ダンパーの取り付けなどを行うことになります。

一軒家の耐震対策を考える人は、まずは無料診断を

このように、一軒家の耐震対策を考える場合は、残念ながら免震は候補から外れることになります。しかし、もともと免震対策にはコストがかかるため、もし対策が施せたとしても「高いから無理」という結論になる可能性が高いでしょう。

一軒家の耐震対策を考える人は、まずは耐震診断からスタートしましょう。耐震診断を受けたからといって、耐震リフォームをしなければならないというわけではありません。費用や工事期間などを聞いた上で、「これならできる」と判断した場合のみ、耐震対策を行えば良いのです。

火災保険請求相談センターにご相談いただければ、一級建築士がお住まいに伺い、どのような耐震対策を行ったらよいかを具体的に診断させていただきます。お気軽にご相談ください。

 

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記事監修:矢島 弘子


火災保険請求・地震保険請求アドバイス業務に従事。年間200棟の調査を13年間継続して行い、建物調査後の損害鑑定人との立ち合いや交渉も行っている。外部の敷地内の申請はもちろん室内の汚損・破損の申請や給排水設備の申請も得意とし、

家財保険かけている方が知らないスーツのアドバイスなども行っている

群馬県伊勢崎市でも2021年10月7日の地震被害はあり、

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