火災保険を申請した際に、被害を受けた住宅の調査のために「損害保険登録鑑定人」と呼ばれる専門職の方が保険会社から派遣されることがあります。
この記事では、その「損害保険登録鑑定人」について詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。
記事監修:矢島 弘子 |
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火災保険請求・地震保険請求アドバイス業務に従事。年間200棟の調査を13年間継続して行い、建物調査後の損害鑑定人との立ち合いや交渉も行っている。外部の敷地内の申請はもちろん室内の汚損・破損の申請や給排水設備の申請も得意とし、家財保険かけている方が知らないスーツのアドバイスなども行っている |
目次(▼タップで項目へジャンプします)
損害保険鑑定人の資格とは?
損害保険登録鑑定人とは「損害額・保険価額算定のプロフェッショナル」のことで、職務としては公平公正な鑑定を行うことが求められています。
損害保険登録鑑定人は、鑑定した結果を報告するだけでなく、保険金が適正かつスピーディに依頼者に支払われるような業務も行っています。
また、火災保険における損害保険登録鑑定人は、被害を受けた住宅のある場所に直接訪問して調査を行います。
※大型台風直後は資料のみの鑑定がメインになる
火災保険だけでなく地震保険の申請を受けた時も鑑定人の出番がありますが、阪神淡路大震災や東日本大震災のような巨大地震の後は、長期に渡り、多くの損害保険登録鑑定人が現地調査を行い、保険金の支払い支援を行いました。
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損害保険鑑定人の資格の種類
損害保険登録鑑定人には3段階の資格認定があります。
・損害保険登録鑑定人3級 |
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・損害保険登録鑑定人2級(※受験資格、損害保険登録鑑定人3級に登録済み) |
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・損害保険登録鑑定人1級(※受験資格、損害保険登録鑑定人2級に登録済み)
下記に該当する方は受験資格に値しません。
(※)暴力団員(暴力団員ではなくなった日から5年を経過しない者を含む。)暴力団準構成員、暴力団関係企業その他の反社会的勢力(以下「反社会的勢力」)
専門鑑定人Aとして登録できる公的資格
建築積算士/一級建築士/1級土木施工管理技士/1級建築施工管理技士/1級管工事施工管理技士 |
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第一種電気主任技術者/公認会計士/税理士/不動産鑑定士/技術士/建築設備士
専門鑑定人Bとして登録できる公的資格
二級建築士/2級土木施工管理技士/2級管工事施工管理技士/特級ボイラー技士/一級ボイラー技士 |
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第二種電気主任技術者/2級建築施工管理技士/第三種電気主任技術者/第一種電気工事士
木造建築士/会計士補/不動産鑑定士補/技術士補
損害保険鑑定人の役割
損害保険登録鑑定人の役割を改めて確認しておくと、まずは支払い保険金を適正に算定することが求められます。
火事や自然災害など火災保険の補償対象となるような被害が住宅に出た後に、保険会社の要請を受けて調査・鑑定を行います。
損害額の算定を適正に行う「損害鑑定」がメインの業務です。
適正な保険価額を算定する「評価鑑定」も重要な業務
保険会社と火災保険の契約を結ぶ時に、事前に保険対象物の鑑定を行い適正な保険価額・保険金額を算定するという業務も、損害保険登録鑑定人の業務の一つです。
最後に、精神面の部分ではありますが、中立・公平・公正な立場を忘れずに業務を行うことが求められます。
損害保険登録鑑定人は保険会社の要請で鑑定を行いますし、保険会社と同族グループの場合も多いので、第三者機関としての考え方(中立・公平・公正)が求められます。
損害保険の鑑定人は常に中立・公平の立場を貫き、私情を挟まず対象物そのものの価値を算定します。
保険会社・依頼人の両方にとって不利にならないような鑑定をしなければいけません。
保険会社の天下り先が鑑定会社?
実は、「損害保険登録鑑定人が所属する鑑定会社は、保険会社の子会社」であることが多くあります。
つまり、表向きは中立・公平の立場を取る第三者機関のように見えますが元東京海上の役員が鑑定会社を立ち上げたりと実は
裏では、保険会社と鑑定会社が法人の親子の関係でつながっている。というケースは少なくありません。
事実、不正な取引は何十年も続いていた
保険会社は事前に損害保険登録鑑定人に、保険金不払いの方向へ話を持っていくように、報酬付きでお願いすることもよくあるようです。
このような私たち一般の被保険者にとってデメリットでしかない不正な取引は何十年間と続いていたために、何十万件という火災保険の不払いが起こっていたことが表沙汰になったこともあります。
これでは被保険者の、万が一の際の味方になるべき火災保険の意味がありませんし、保険会社と被保険者との間の公平性も保たれません。
トラブルが起きたときはADR機関に相談をしてみる
火災保険を含む損害保険の支払い(不払い)でトラブルが生じた時には、そんぽADRセンターという機関に設置するのが一般的です。
ADRセンターは専門の相談員が損害保険に関するトラブル処理を行うための一次受付窓口です。
また、保険業法に定められた指定紛争解決機関(金融ADR機関)として、損害保険会社とのトラブルが解決しない時には紛争解決の支援・和解案の提示なども行う機関となっています。
ADRセンターも動かないときもある
このそんぽADRセンターは、金融庁からの指定を受けた中立・公正なADR機関ではあるのですが、
損保協会という損害保険会社とつながりのある協会が運営していることから、「あまり頼りにならない…」といった話も耳にします。
そこで、火災保険の査定額が不当に低く、納得できない時は、第三者機関に調停を依頼するという方法を採る被保険者もいます。
金融庁の長官指名のオンブズマンもある
被保険者と保険鑑定士、どちらの意見が正しく整合性のあるものなのか。
第三者の目で判断してもらい、真っ当な査定額を出してもらうというものです。
過去に発覚した火災保険の不払い問題は、保険会社が保険金を支払わないためにさまざまな機関を巻き込んで行われてきた背景があります。
つまり、組織的に保険金の不払いを行ってきた損害保険会社も少なくないことから、その組織力に対抗するために必要な知識を、私たち被保険者が備えておくことが重要です。
もう一つ、皆さまに覚えておいて欲しいこと
「損害保険の鑑定人が保険会社と親子の関係で、保険会社は鑑定人に保険金不払いに対して鑑定人に報酬を渡していた…」
「トラブルが起きたらADRという(難しそうな)機関に相談しなければならない?…」
被保険者の皆さまにとって、高い保険料を毎月・毎年払っているのに、どうしてこんなことになるの?と納得できないのではないでしょうか?
これでは「損害保険・火災保険なんて加入しない方がいいんじゃない?」と思われるお気持ちもわかります。
地震保険も大事
しかし先ず大切なこととして、(ほとんどのケースで加入が義務付けられているものの)火災保険や、また近年の大型地震に対する不安に備えるために地震保険に加入することはとても大切です。
有事の際、これら保険から下りる保険金がないと再起は困難を極めます。
この記事では損害保険登録鑑定人の資格や仕事を中心に書きましたが、もう一つ、皆さまに覚えておいて欲しいこととして、
株式会社 火災保険請求相談センターでは、火災はもちろん台風や強風・風災、水災などでご自宅が被害に遭われた際、
火災保険の申請サポートから建物の修理まで一貫してお受けしているということです。
【台風16号 家屋被害】お金を出さなくても治せるかもしれないのが火災保険です。
被害が出た場所を契約の損害保険で修理するという、被保険者にとって当然の権利である保険申請を正しく申請をし、妥当な保険金がおり、被保険者さま皆さまのご自宅の修繕を行うのは、快適で安全・安心できる日々を送るために非常に重要です。
また高い保険料を支払ってきたことに対して受けるべき権利です。それらサポートができる、株式会社 火災保険請求相談センターにお問い合わせください。
火災保険申請にはある種のコツがあります。
損害保険の鑑定人に不当に低い保険金認定をされないためにも、万が一、不当な理由で無責などになって保険金不払いになってしまわないためにも
火災保険申請サポートから建物修理までを一貫して行ってきた実績がある、株式会社 火災保険請求相談センターへ一度お問い合わせください。
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