公開日:2022年2月23日
外壁塗装というものは、一生のうちに何度も行うものではありませんので、相場といってもすぐにはわからないものです。
しかも定期的メンテナンスを行うとしても十年単位で間隔があきますので、その間に相場は大きく変わっていることが予想されます。
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おおよその金額ではありますが、平均的な一軒家の外壁塗装の費用相場は80~150万円くらいといわれていますので、
かなりの幅があることがわかります。これは、住宅の大きさはもちろん、劣化の状況や塗料の種類などで大きく差が出てしまうからです。
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そして、これはあくまで相場ですので、相場から高くなってしまう工事・低くなる工事も存在します。
そのため、外壁塗装の費用相場をより正確なものにするためには、単に総額だけをチェックするのではなく、様々な視点からチェックしなければなりません。
外壁塗装の相場
では最初に、塗料の単価の相場を見ていきましょう。
●アクリル塗料…1㎡当たり1000円~1500円
●ウレタン塗料…1㎡当たり1800円~2000円
●シリコン塗料…1㎡当たり2500円~3500円
●フッ素塗料…1㎡当たり3500円~5500円
●無機塗料…1㎡当たり5000円~5500円
一般的な塗料として有名なのは「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「フッ素」などですが、耐久性の順で費用は高くなっていきます。
とはいえ、耐久性だけで単価が決まるのかというと、そうでもないのが塗料の面倒なところです。
外壁塗装でよく利用されるのは「シリコン塗料」ですが、この中だけでも大きく分けて5種類の塗料が存在します。
グレードの低い順から紹介すると
「水性シリコンの1液タイプ」
「水性シリコンの2液タイプ」
「弱溶剤シリコンの1液タイプ」
「弱溶剤シリコンの2液タイプ」
「強溶剤シリコンの2液タイプ」
となります。
この種別は、シリコン塗料だけでなくウレタン塗料でも同様です。
つまり、シリコン塗料とウレタン塗料だけで10種類もの塗料がるということです。
ちなみに、一番グレードの低い「水性シリコンの1液タイプ」と
一番グレードの高い「強溶剤シリコンの2液タイプ」では、同じシリコン塗料とはいえ単価が全然違います。
また、その耐用年数も前者は10年、後者は15年ですから、価格が高いだけの意味があると考えてよいでしょう。
この流れはウレタン塗料でも同様で、一番グレードの高いものと低いものでは相当な差額が発生します。
また、一般的にはシリコン塗料の方がウレタン塗料よりもグレードも価格も高いといわれているのですが、
ウレタン塗料の中で最高グレードである「強溶剤ウレタンの2液タイプ」と、
シリコン塗料の最低グレードの「水性シリコンの1液タイプ」と比較すると、前者のほうが高額になるという逆転現象が起きてしまいます。
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とはいえ、ここまでの知識を知っている依頼者はほとんどいません。
当然ながら、「シリコン=グレードの高い塗料」「ウレタン=中くらいのグレードの塗料」というくらいの知識しかないわけですから、
業者にどの塗料を使うのか、そしてその背景の単価設定を質問してみましょう。
また、今増えているのはシリコンの上に「フッ素」や「光触媒」、「断熱塗料」などひとつグレードの高い塗装をするという方法です。
工事の費用はかさんでしまいますが、
長い目で見るとグレードの高い塗料で塗装をした方が、結果的にはコストパフォーマンスは安くなる傾向にあります
費用を抑えるための値引き交渉は意味がある?
何事もそうですが、値引き交渉を行って少しでも安く済んだら依頼主にとってはラッキーなものです。
外装塗装の世界でも、値引き交渉というものはあります。
しかし、ここに大きな落とし穴があるのです。初めて会った依頼主に、いきなり“逆値引き交渉”をしてくる業者がいます。
これはもう悪徳業者と判断して良いでしょう。
例えば、「本来であれば300万円の工事なんですが、200万円にしますよ」といわれたら、
依頼主はどう思うでしょうか。
100万円も安くなるなら、ついつい契約してしまうかもしれません。
しかし、この200万円でも十分に高い価格設定ないので、
その業者はまったく損をしないどころから利益がたくさん出るような仕組みになっています。
これは、依頼主が外装塗装の相場を知らないことを見越しての戦略なので注意が必要です。
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また、手抜き工事を前提で値引きに応じる業者もいます。
これは、値引きには応じるけれどもいくつかの工程を省いてしまうというものです。
そうなると、結果的に耐久性が弱くなり、短期間でまた外装塗装を行う羽目になります。
数万円の値引き交渉であればまだアリかもしれませんが、
数十万円単位の値引き交渉はコストパフォーマンスが悪くなってしまうことがほとんどであることを覚えておきましょう。
費用によってどんな仕上がりになるのか
プロの業者によると、外壁塗装工事の費用を聞けばどのような工事が行われるか大体わかるといいます。それをまとめると、以下のようになります。
●80~100万円の外壁塗装工事…色がついて以前より綺麗になれば良いというレベル
●100〜120万円の外壁塗装工事…家を守る塗装のレベル。一般的な価格帯。
●120万円以上の外壁塗装工事…特殊塗料などグレードの高い塗料を使用したハイクオリティな工事
特殊塗料とは「フッ素無機塗料」や「光触媒」「防水塗料」など、
塗装をすることによって何かしらの効果を得られる塗料のことです。
実は、30~35坪位の一軒家の場合は、外壁塗装の相場というものは大体この価格帯に収まります。
こうしてみると、100万円を超える工事からが将来的に意味のある外壁塗装工事といえます。
80万円前後の外壁塗装工事では、なかなか家を守るというレベルには達しないのが現実です。
「設計価格表」とは何か
外壁塗装の価格を知る上で、「設計価格表」という存在を忘れてはいけません。
これは各塗料メーカーが出している単価表で、それぞれの商品の“最高価格”が書かれているものです。
業者は、この設計価格表よりも高い値段設定をしてはいけないことになっているのですが、
300㎡以上の価格表なので一般住宅には当てはまらないケースがほとんどなのですが、
見積をチェックする時の参考にする分には良いのではないでしょうか。
その価格帯から大幅に離れている見積であれば、何かしらの裏事情があるのではと疑ってみても良いでしょう。
また、細かい価格表を出している塗料メーカーも存在します。
例えば、「下塗りの費用」「中塗りの費用」「上塗りの費用」など細かい費用相場を設定していますので、
これらは大いに役に立つと思います。
とはいえ、この設計価格表通りに見積が出てくるのかといえばそうでもありません。
外壁塗装というものは、住宅の劣化状態によって大きく費用相場が変わるものなので、同じ塗料であっても工賃が変わることはよくあります。
外壁塗装の基本は三度塗り…「下塗り」「中塗り」「上塗り」が基本ですが、
住宅の状態があまりに悪い場合は「下塗り」を二回行うこともあります。
そうなると、純粋に塗り回数が一回増えるわけですから費用が増えるのも当然です。
下塗りは、外壁や屋根の表面に密着するものと、表面と下地を固めるもので構成されていますので、
下地の状態が悪ければ表面に密着するだけではすぐにはがれてしまいます。
そこで、下地の中まで浸透させて固める必要があるので、下塗りを2回行うことで下地の状態の悪さを矯正することがあります。
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この下塗りの状態によって、最終的な上塗りの美観にも関係してきますので、
この部分をしっかりやってくれる業者に出会えると、
外壁塗装は成功へと一歩近づくといえるでしょう。
この費用を抑えて見積を出してくる業者か、
依頼主の将来を考えて意味のある高い見積を出す業者か、依頼主としても業者を決める見極めのポイントとなります。
“モニター料金”にだまされてはいけない
広告に大きく出ている「モニター料金」というものをご存知でしょうか。
これは、業者によるキャンペーンの一環なのですが、健全な業者でも行っていることがあるので、
一概に否定できるものではありません。
例えば、老舗の業者がやるような「100万円の工事を1割引の90万円で」というようなキャンペーンであれば、
まだ信憑性があるかもしれません。
しかし、訪問営業をしてくる業者のモニター価格は、その裏側では業者は損をしなりどころか不当な利益をしっかり確保していることがほとんどです。
訪問販売を行う業者は、営業パーソンの人件費がかかりますので、
赤字を出してまで営業活動を行う意味はありません。
そう考えると、このモニター料金は手抜き工事のだからこそ可能な価格と考えられます。
もしくは、高級な塗料を使うといって実は質の悪い塗料を使われるかもしれません。
先述の通り、同じシリコン塗料でもピンキリですので、そのあたりの価格のコントロールはやろうと思えばできてしまいます。
しかし、以前依頼した業者から「新商品が出たのでモニターで使ってみませんか」
といわれるケースについては、検討の余地はあると思います。
優良業者であれば、10~15年で定期的メンテナンスをした方が良いとわかっていますから、
そのタイミングで安く新商品を提供できるという親切心で声を掛けてきてくれたのかもしれません。
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もちろん、施主が納得した上での話ではありますが、このようなモニター価格であれば試してみる価値がないわけではありません。
いずれにしても、最終的に工事を依頼するのは自分自身です。
その際に、あまりにも無知な状態で臨むのは危険ということは覚えておきましょう。
わからないことや不安なことがあるのは当然のことで、恥ずかしいことでも何でもありません。
疑問点はすべて質問する、
それに対して面倒くさそうに答えてくる業者ではなく、親身に応えてくれる業者を選びましょう。
計算式やシミュレーターはあくまで目安
最近では塗装業者のホームページなどで、事前に外壁塗装のシミュレーションができる計算式が掲載されていることがあります。
住宅の延べ床面積からおおよその塗り面積を算出するものですが、あくまで平均的な住宅を対象にしていますので、
必ずしもこの計算式通りの見積が出てくるとは限りません。
実際には、現場で測定する塗り面積と延べ床面積には関連性がないので、
目安として考えるようにしましょう。
正確な見積を出してもらうには、やはり、塗装する面積を現地で計測してもらうほかありません。
外壁塗装の費用相場は住宅によって変化する
実は、外壁塗装の費用相場というのはプロの塗装業者にとっても難しいものだといわれています。
それは、住宅の状態がそれぞれ全然違うからです。
結局は、「金額に見合った工事ができるか否か」というのが適正な価格になりますから、
コストパフォーマンスが異常に安い工事が存在するとすれば、それは何かしらの手抜きが発生していると言うことです。
このような状況なので、ただでさえ悪徳業者が多いといわれている建築業において、
塗装業者の中の悪徳業者の割合が高くなってしまうのは、如何ともしがたいという話もあります。
本来は150万円かかる工事を80万円で受注し手抜きをしてしまったり、
その逆に80万円で済む工事を150万円で受注してしまったりという、
めちゃくちゃな事態が起こってしまいます。これは先述のモニター料金と近いものがあります。
とはいえ、全国には優良な塗装業者もたくさんいますので、その優良業者を探し出すことがポイントになります。
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このような外壁塗装の相場を知るためには、やはり複数の業者に見積を依頼する「相見積」を行うことをおすすめします。
相見積とは複数社の見積を比較することで、その工事における大体の相場を知り、それぞれの業者の特徴をつかむことにあります。
例えば、A社の見積が100万円、B社の見積が120万円、C社の見積が180万円だとすると、
C社だけが突出して高くなるので、割高な見積を出してきていると想像できます。
そこで、この工事の相場は100~120万円だと想定されますので、あとは2社の見積を細かく見ていくことになります。
優良業者の見積は、「何にどのような費用がかかるのか」「どのような工事をするのか」が細かく書かれているので、
わからないことや不安なことは質問しましょう。そうして、納得いく工事をしてもらえる業者に塗装工事を依頼することで、外壁塗装は成功するというわけです。
記事監修:矢島 弘子 |
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火災保険請求・地震保険請求アドバイス業務に従事。年間200棟の調査を13年間継続して行い、 建物調査後の損害鑑定人との立ち合いや交渉も行っている。 外部の敷地内の申請はもちろん室内の汚損・破損の申請や給排水設備の申請も得意とし、 家財保険かけている方が知らないスーツのアドバイスなども行っている 東京都清瀬市周辺でも2021年10月7日の地震被害はあり、 関東圏であればどこでも無料点検はすぐにご依頼ください。 損はさせません。 |